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フィールドノート

アシックス、日本2店舗目の旗艦店を開業——有料の個別相談ラウンジも導入

7月31日開業の新宿4階建て店舗に、刺繍カスタムと有料の個室ラウンジが加わる。アシックスが国内で賭けるのは、棚の広さではなく接客だ。

階段でつながる多層の店内断面図のイラスト。棚に並ぶシューズのシルエットと、椅子2脚の小さなラウンジ
新宿の4フロア——予約制の有料サービスも。 · イラスト:floortok.com

アシックスは2026年7月31日、東京都新宿区新宿3丁目17番5号に「ASICS FLAGSHIP SHINJUKU」を開業すると発表した。同社によれば、店舗は4フロアで約605平方メートル、営業時間は11時から19時まで。原宿に続く日本国内2店舗目の旗艦店であり、上海店と合わせて世界では3店舗目の旗艦店になるという。

取り扱いカテゴリーは、ランニング・テニス・バスケットボール・ゴルフの各シューズに加え、アシックス スポーツスタイルのアパレルやコラボレーション商品だと同社は説明する。この、いわば標準的な品揃えのなかで際立つのが二つの新機軸だ。店内で刺繍などのカスタマイズを施す「ASICS CREATE」は、同社店舗として初の試みだという。さらに4階には、会員プログラム「OneASICS」の一部会員向けに、予約制・有料の個別相談を行う「PRIVATE LOUNGE」を設ける。

実は、面積そのものより興味深いのはここだ。直営店に有料・予約制の相談フロアを設けるという判断は、卸売と自社店舗の両輪で展開してきたブランドが、単なる陳列棚での販売から、接客と関係性を軸にした販売へと重心を移す賭けであり、これは百貨店フロアでfloortokが追ってきた動きと同じ性質のものだ。東京に旗艦店を2つ、さらに上海にも1つ構えるという体制は、単発の見せ場としての旗艦店ではなく、直営小売を国内顧客との接点として本格的に位置づけ始めたことを示唆する。

スポーツウェアの旗艦店に有料の相談フロアを置くのは、ショールーム的な演出ではない。国内の客が、靴だけでなく「接客」そのものにお金を払う——その賭けだ。

開業直後の熱が落ち着いたあと、プライベートラウンジがどう機能するかを見たい。会員限定・有料の相談サービスは、OneASICS会員が実際に予約し、繰り返し利用してこそフロアの価値を持つ。利用が伸び悩めば、4階は「開業日の見栄え」だけのために確保した高コストな空間になりかねない。逆にうまく機能すれば、卸売ではなく直営旗艦店を選ぶ次の出店先でも、アシックスが横展開できる型となるだろう。