アシックス、通期売上高予想を初の1兆円超に上方修正
アシックスの自社予想がついに売上高1兆円の大台を突破した。ただし上方修正の伸び幅を見ると、実際に伸びているのは売上高以上に利益率だ。

アシックスが8月14日に公表した2026年12月期第2四半期(上期)決算短信で、通期の売上高予想を初めて1兆円超に引き上げた。神戸に本社を置く同社は利益予想と配当予想も上方修正し、ウォーキングシューズ事業の一部を担ってきた完全子会社アシックス商事を解散する方針も明らかにした。
上期(1〜6月)の実績は、売上高が前年同期比32.7%増の5344億円、営業利益が同48.5%増の1204億円、当期純利益が同53.3%増の821億円だったという。
この勢いを踏まえ、アシックスは通期予想を軒並み上方修正した。売上高は従来予想の9500億円から1兆500億円へ、営業利益は1710億円から1950億円へ、純利益は1100億円から1200億円へ、それぞれ引き上げた。自社予想が売上高1兆円を超えるのは初めてで、営業利益予想の上方修正幅は約14%と、売上高予想の上方修正幅(約10.5%)を上回った。
同社は通期の配当予想も1株あたり6円引き上げたという。今回規模の上方修正としては順当な対応だが、経営陣が今回の水準を年度末まで維持できると見ていることの表れでもある。
これとは別に、アシックスはウォーキングシューズ事業の一部を担ってきた完全子会社アシックス商事を解散・清算する方針を取締役会で決議したと発表した。同事業はアシックス本体とアシックスジャパンに引き継がれる。専門の商事会社を介さず本体の組織に取り込む形で、戦略を一本化する狙いとみられる。
今回の上方修正の内訳は開示されていないが、同社は普段履きのランニング・ウォーキングシューズと、ヘリテージラインの「オニツカタイガー」を今年の成長けん引役として挙げてきた。スポーツ用品売場の枠を超え、タウンユースのスニーカー需要を取り込んできた格好だ。とりわけウォーキングシューズは、快適さをかつてのフォーマル靴のように重視するようになった高齢化社会の日本で、息の長い成長カテゴリーの一つになっている。その事業を専門商社を介さず本体に一本化する判断は、実験段階を終えて中核事業とみなされるようになった部門にありがちな整理と言える。
通期予想の上方修正幅(前回予想比、%)