ケリング、バレンシアガの新クリエイティブ・ディレクターにマーティン・ローズを任命
ケリングは11月16日付で、バレンシアガの新クリエイティブ・ディレクターにマーティン・ローズ(Martine Rose)を任命した。前任のピエールパオロ・ピッチョーリ氏の退任については報道のみで、ケリング自身の発表には言及がない。ローズが手がけるコレクションは、ケリングが日本国内に展開する約170店の直営網の中にあるバレンシアガの店舗にもいずれ並ぶことになる。

ケリング・ジャパン合同会社は11月6日、PR TIMESを通じて、マーティン・ローズ(Martine Rose)が2026年11月16日付でバレンシアガのクリエイティブ・ディレクターに就任すると発表した。発表はケリングとバレンシアガによるもので、前任のピエールパオロ・ピッチョーリ氏の名前や、その退任の経緯には一切触れていない。
ローズはロンドンを拠点とするデザイナーで、2007年に自身の名を冠したブランドを設立した。発表によれば、サブカルチャーや音楽、装いやアイデンティティを巡る社会規範を軸に独自の表現を築き、ファッションと男性性にまつわる既成概念に挑み続けてきた人物とされる。ロンドンのアート・コミュニティやサブカルチャーからの影響を受けながら、他ブランドやアーティストとの創造的な協業も幅広く手がけてきたという。
発表文の中で、ケリングの最高経営責任者ルカ・デメオ氏は、バレンシアガは常に既成概念に挑み、ファッションの可能性を押し広げるラディカルな創造性を体現してきたメゾンだとし、ローズが次世代との共鳴力を持つことはグループがイノベーションを重視する姿勢の表れだと述べた。バレンシアガのプレジデント兼最高経営責任者ジャンフランコ・ジャナンジェリ氏は、ローズの大胆かつ独創的なビジョンはメゾンの革新の精神と深く共鳴するとし、彼女が開く新たな章を楽しみにしていると語った。
両社が触れていない退任の経緯
ケリングとバレンシアガ自身の発表には、ピッチョーリ氏がなぜ退任するのかは記されていない。ファッションスナップなど複数の媒体の報道によれば、同氏の退任は11月5日にパリで別途発表され、就任からおよそ16カ月での退任だったという。ピッチョーリ氏は2025年7月、グッチに異動したデムナ氏の後任として就任し、コレクション発表は2回にとどまったとされる。ケリング、バレンシアガのいずれも、ローズの任命とは別に退任そのものについての声明は出しておらず、floortokはこの部分を各媒体の報道として扱う。
日本の売場にとっての意味
バレンシアガは、グッチ、サンローラン、ボッテガ・ヴェネタ、アレキサンダー・マックイーンと並び、ケリングのファッション部門が2026年上半期末時点で日本に展開していた直営店、約172店(ケリング発表)の一角を担うブランドの一つだ。このうちグッチは61店で、前期から変わっていない。バレンシアガが展開するいずれの店舗も、いずれはピッチョーリ氏のデザインに代わってローズのビジョンを売ることになるが、彼女の最初のコレクションが日本の店頭に並ぶ時期については両社とも日付を示していない。そこと、両社が退任についてさらに言及するかどうかが、今後の注目点となる。