全国チェーンストア8月販売、既存店は2カ月連続増もわずか0.2%増 衣料品は苦戦
日本チェーンストア協会によると、8月の全国チェーンストア販売高は既存店ベースで前年比0.2%増と、6月のマイナスから2カ月連続のプラスにとどまった。食料品は底堅く推移した一方、衣料品は苦戦。政府が決定した食料品の消費税率引き下げ方針の行方が、次に注視すべき論点として挙げられている。

日本チェーンストア協会(JCSA)が発表した2026年8月度チェーンストア販売統計によると、スーパーやドラッグストア、総合小売チェーンなど会員45社・9,693店舗(総売場面積2,314万3,568平方メートル)の既存店売上高は、前年同月比0.2%増にとどまった。新規出店分を含む全店ベースでは1.3%増とやや高い伸びとなった。
この増加は6月に記録した数少ない前年割れの直後にあたり、単純な連続増ではなく、6月のマイナスから数えて2カ月連続のプラスという位置づけになる。見出しの伸び率だけでは見えない、薄い回復といえる。
商品別では、チェーンストア売上の約74%を占める最大カテゴリーの食料品(全店ベースで約8,244億円、全体約1兆1,148億円のうち)が、既存店ベースで0.3%増と底堅く推移した。一方、衣料品は既存店ベースで1.0%減となり、4分類のなかで唯一のマイナスとなった。住関品は既存店ベースで0.3%増、その他は0.1%増。ただし、その他の全店ベースの伸び率は大きく落ち込んでおり、既存店同士の需要減というより、集計対象チェーンの店舗数の変動が影響しているとみられる。
同協会の発表資料が示す最大の論点は、今後の政策動向だ。政府は8月5日、食料品の消費税率を現行の8%から1%へ、2027年4月から2年間引き下げる基本方針を閣議決定した。同協会はこの議論の行方を注視すべき要因として挙げている。売上の7割超を占める食料品の価格体系が変わりうる話だけに、影響は小さくない。
見出しの伸び率がこれだけ薄いと、総合の数字よりも商品構成の中身の方が重要になる。食料品の底堅さが、衣料品の落ち込みを相殺している構図であり、売上の4分の3近くを一つのカテゴリーに依存するチェーンストアの構造は、食料品の価格が動いたときの余地が小さいことを意味する。減税が想定通り実現すれば、その影響はまず粗利ではなく販売数量に表れるとみるのが妥当だろう。今回のデータが示す通り、今のサイクルでの変動要因は品揃えではなく需要そのものだからだ。