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コンラッド、体験プログラム『1/3/5』を拡大 大阪の裏天満居酒屋ホッピングと名古屋・有松絞り体験を追加

ヒルトン傘下のコンラッドが、コンシェルジュ企画による体験プログラム『1/3/5』を世界的に拡大した。日本からは大阪と名古屋の2軒が加わったが、定番の寿司教室ではなく、大阪・裏天満の居酒屋ホッピングと400年の歴史を持つ名古屋・有松の染め体験を選んだ。ゲストが求めているのは「映える体験」ではなく、その街に暮らす人の道筋だという読みがうかがえる。

大阪の裏路地に軒を連ねる小さな居酒屋の入口が温かい提灯の灯りで浮かび上がるイラスト。通りを歩くシルエットの人物と、藍染めの布を思わせる柄が重なる。
イラスト:floortok.com

ヒルトンは9月22日、傘下のラグジュアリーブランド「コンラッド」が、1時間・3時間・5時間という所要時間別にコンシェルジュが企画する文化体験プログラム『1/3/5』を、5大陸のコンラッドホテルで拡大すると発表した(Stories from Hiltonの発表による)。今回の拡大では10軒が新体験を追加し、その中にはヒルトンの日本におけるラグジュアリー拠点であるコンラッド大阪とコンラッド名古屋の2軒が含まれる。

コンラッド大阪が追加したのは、裏天満エリアを巡る3時間の「Izakaya Hopping Journey(居酒屋ホッピング・ジャーニー)」。日本酒バーや寿司店、ナイトライフスポットなど、知る人ぞ知る飲食店を巡り、地元の文化を体感できるとホテル側は説明する。コンラッド名古屋が追加したのは、有松絞りをテーマにした5時間の体験プログラム。約400年の歴史を持つ商家町・有松の歴史的な町家を訪れ、茶室での一服、職人による実演を経て、自ら絹布を染めて持ち帰ることができるという(ヒルトンの発表による)。

今回の日本での追加は、日本を画一的な世界共通メニューの一拠点としてではなく、独自の体験在庫を作り込む価値のある市場として扱う、国際ホテルグループに広がる傾向と重なる。ネットで簡単に予約できない案内付きの体験こそが、大阪や名古屋の五つ星の客室をソウルやシンガポールの同等の客室と差別化する要素であり、改装や新築に比べれば安価に打てる一手でもある。取り上げた街の選び方も示唆的だ。裏天満も有松も京都ではない。東京と関西の寺社仏閣を結ぶ一泊の通過点として扱われがちな大阪や名古屋にこそ、ゲストが土地の空気を求め始めていると、コンラッドは見ているのだろう。