大丸芦屋店、5年ぶりの全館リニューアルが完成 プルニエと29ブランドの化粧品フロアが目玉に
大丸芦屋店は5年がかりの全館改装を経て8月28日(金)に完成する。ファッションではなく美食と個性派ビューティーに軸足を置いた改装は、関西屈指の富裕住宅地の客が地元で買い物を続けると見込んだ一手だ。

大丸松坂屋百貨店(J.フロント リテイリング)の発表によると、大丸芦屋店(兵庫県芦屋市)は8月28日(金)、5年ぶりとなる全館リニューアルの最終フェーズを完成させる。
同社によると、改装は段階的に進められ、2025年12月から2026年2月にかけて9店舗、6月に1店舗が先行開業し、8月の最終フェーズで5店舗が加わる。
最終フェーズの目玉は、関西初出店となる2ブランドだ。1872年創業のフランス発キャビアメゾン〈プルニエ〉と、フランスの老舗紅茶ブランド〈ダマンフレール〉と唐渡泰シェフのフレンチレストラン〈リュミエール〉がコラボレーションしたティーサロン&ブティック〈ダマンリュミエール〉である。ダマンリュミエールでは同ブランドの茶葉を使ったスイーツとともに60種類以上の紅茶を提供するという。〈ちひろ菓子店〉とシュークリーム専門の〈CHIHIRO the CHOUX〉の2ブランドも加わり、グルメゾーンを固める(同社発表による)。
改装のもう一つの柱が、化粧品フロア〈DEPACO〉だ。これまでオンラインとメディアのみで展開してきた美容プラットフォームにとって初の実店舗展開となり、29ブランドを揃える。うちオリビア フレグランス(OLIVIA FRAGRANCES)やdr365など4ブランドは芦屋・神戸エリア初出店だという(同社発表による)。
今回の改装で興味深いのはテナント構成そのものだ。芦屋は大阪と神戸に挟まれた阪神間屈指の高級住宅地であり、郊外型百貨店である同店の客層は、インバウンドの免税消費を軸にした銀座や新宿の旗艦店とは異なる。地元に根差した富裕層が、トロフィー的なファッションよりも日常の贅沢を求めて通う店だ。今回の目玉をアパレルの新フロアではなくキャビア、紅茶コラボ、個性派ビューティーに据えたのは、まさにその客層に向けた商品・演出戦略といえる。小規模で発見的な業態を通じて、団体客ではなく地元客の来店を継続的に取り込む狙いがうかがえる。
J.フロント リテイリングによるこのリニューアル完成の発表は6月22日付けで行われており、実際の完成日である8月28日の2カ月以上前だった。今回の内容は、完成週に合わせた発表ではなく、8月の最終フェーズのラインナップを先んじて示すものである点には留意が必要だ。