大丸梅田店、2030年までの全館改装で入口を拡大化粧品売場の4階に移設
大丸松坂屋百貨店は、大阪の旗艦店・大丸梅田店を2030年にかけて段階的に改装する。入口そのものを現状の1.5倍に拡大する4階の美容フロアへ移す計画で、梅田の集客の核が駅からの人流に移ったとみる賭けだ。

大丸松坂屋百貨店は10月13日、大阪の旗艦店である大丸梅田店を数年にわたり段階的に改装すると発表した。新コンセプトの名称は「アトリエ・フューチャー」で、全館のグランドオープンは2030年春頃を目指すとしている。
第一弾となる4階・5階・9階の改装は2027年春にオープンする予定で、2026年3月から進める地下食品フロアのリニューアルに続く取り組みだという。入居ブランドや内装デザインの詳細はまだ公表されておらず、2027年1~2月頃に発表するとしているが、各フロアのコンセプトは今回明らかにした。
最も大きな変更は4階だ。現在2階にある化粧品売場を4階に移し、規模を現状の約1.5倍に拡大する。高級化粧品の旗艦店や、施術スペース「キャビン」を含む美容・ウェルネスサービス、若年層を意識したファッション雑貨やカフェも拡充するという。同社は、JR大阪駅と直結し来店客数が最も多いことを理由に、4階を新たなメイン入口に位置づけるとしている。梅田はJR大阪駅周辺に複数の百貨店が集まる大阪でも有数の商業密集地であり、入口の位置づけ自体が意味を持つ。
5階「GLOBAL FASHION」は、ハイセンスなセレクトショップを核としたジェンダーフリーのファッションフロアとし、クリエイターブランドやストリート系ブランド、関西発のカフェも加える。9階「CROSS CULTURE」はK-POPやVTuber、2.5次元コンテンツを中心としたエンターテインメントフロアに転換し、大手コンテンツ権利元と組んだ西日本初となる店舗を含むという。既存の大丸ミュージアムは、展示・物販・イベントを組み合わせた大型の催事スペースへ拡張する。
今回の改装の核心は、入口を地上階から4階の美容フロアへ移すという構造的な賭けにある。百貨店は従来、地上階の化粧品売場を通行客を呼び込む入口機能として重視してきたが、大丸梅田店は駅直結の連絡口からの人流こそが主役になったとみて、規模を1.5倍に広げた美容フロアそのものに入口機能を持たせる方向に動いた。K-POPやVTuberファンを意識したコンテンツフロアを組み合わせるのも、従来のファッションや生活雑貨のフロアでは取り込めなかった若年層の来店を狙ったものだろう。
その賭けが奏功するかどうかが見えてくるのは、今回の発表ではなく2027年1~2月頃に予定されるブランド発表だ。「高級化粧品の旗艦店」という言葉にふさわしい具体的なブランド名が並ぶかどうかが、最初の判断材料になる。