フェラガモ、2026年上期は黒字転換 DTCが唯一伸び悩んだのは日本
フェラガモの2026年上期、直営(DTC)事業が地域別で唯一伸び悩んだのが日本だった。上期は1.0%減だったが、第2四半期単体ではプラスに転じている。

サルヴァトーレ フェラガモは2026年上期(1〜6月)決算で、営業利益21百万ユーロ(前年同期は減損影響を除く調整後で3百万ユーロの赤字)と黒字転換した。牽引したのは自社直営(DTC)事業の伸びだが、地域別で唯一DTCが伸びなかった市場が日本だった。
8月3日に取締役会が承認した上期決算によると、売上収益は4億6800万ユーロで、実勢為替ベースでは前年同期比1.3%減ながら、為替影響を除く実質ベースでは1.9%増だった。DTCチャネルが実質6.1%増と伸びた一方、卸売チャネルは11.2%減少した。粗利益率はフルプライス販売比率の改善を背景に69.2%(前年67.7%)に拡大し、EBITDAは7300万ユーロから9000万ユーロへとほぼ倍増した。
そのDTCの伸びが唯一崩れたのが日本だった。上期の日本の売上高は実質為替ベースで前年同期比1.0%減の3467万ユーロ、グループ売上高に占める比率は前年の8.6%から7.6%に低下した。会社側の地域別開示でも、DTCが実質ベースで伸びたのは「日本を除く全地域」と明記されている。ただし第2四半期単体で見ると様相は一変し、日本の売上高は実質為替ベースで前年同期比2.8%増となり、同社は直営の主要店舗の伸びによるものとした。
地域別では、北米が上期に実質15.4%増とグループ最強の市場となり、DTC・卸売とも二桁増を記録した。一方、欧州は8.6%減、アジア太平洋地域全体でも卸売の低迷を背景に3.0%減となった。グループ全体の上期純利益は150万ユーロと小幅ながら黒字を確保し、前年同期の(41百万ユーロの減損計上を除く)調整後1600万ユーロの赤字から転換した。
為替調整後とはいえ一四半期だけの伸びで、日本市場が完全に上向いたと断じるのはまだ早い。インバウンド需要主導なのか国内需要の回復なのか、開示された数字だけでは切り分けられないためだ。とはいえ、フェラガモが各地域で語る戦略――卸売の量的拡大ではなく、直営店でのフルプライス販売と接客の質を軸にする方針――を、これまでシェアを落としてきたまさにその市場で試している最中と見れば、今回の数字は方向性としては符合する。