技研トラステムとunerry、来館データと行動データを統合した商業施設向けサービスを開始
京都のセンサーメーカーと東京の位置情報データ企業が、来館者数データと行動データを統合した新サービス「PASSER-MARKETING」を開始した。商業施設のリーシングやテナント支援、改装判断といった裏方の意思決定を直接狙ったツールだ。

来館者数計測システム「PASSER」を手がける技研トラステム(京都市)と、位置情報データ基盤「ビーコンバンク」を運営するunerry(東京)は9月15日、両社の技術を組み合わせた新サービス「PASSER-MARKETING」の提供を開始したと発表した。全国で1000万台以上導入されているという技研トラステムの計測機器と、約150本のスマートフォンアプリから取得するunerryのGPS・ビーコン行動データを統合する。
サービスは、来館者の出発地や来館頻度の把握、館内動線の可視化、近隣競合施設とのベンチマーク比較という3つの機能を軸に構成される。両社は、リーシングやテナント支援、販促、改装計画の判断材料として活用できるとしており、従来は機器とデータベンダーを別々に契約する必要があった作業を一本化する狙いがあるという。両社は9月17日、東京国際フォーラムで開催される「SPECTACLEs 2026」でこのサービスを実演する予定だ。
機器ベンダーの生の来館者数データと、行動データ基盤が持つ文脈情報を組み合わせる発想は、商業施設運営者が求めてきた「何人来たか」だけでなく「誰が、他にどこで買い物をしているか」という問いへの現実的な答えといえる。注目すべきは提供開始の日付そのものではなく、賃料交渉やテナント構成の決定において、施設運営者が勘ではなくPASSER由来の来館者プロファイルを引用するようになるかどうかだ。