H2Oリテイリング、百貨店事業の営業利益が四半期として過去最高 うめだ旗艦店に高額品需要
H2Oリテイリングの百貨店事業は4〜6月期として過去最高の営業利益を計上した。改装した阪急・阪神うめだ本店にインバウンドと国内富裕層の需要が集まった一方、純利益158%増という見出し数値のおよそ半分は東宝株売却による一時的な利益が占める。

阪急阪神百貨店を傘下に持つH2Oリテイリング(大阪市)は、4〜6月期の百貨店事業の営業利益が同時期として過去最高になったと発表した。売上高は前年同期比12.3%増、営業利益は66.9%増だった。
伸びを牽引したのは阪急うめだ本店と阪神梅田本店の2つの旗艦店。8月4日発表の第1四半期決算によると、改装済みフロアでラグジュアリーブランドやジュエリー、時計への需要が強まったことが増収増益につながった。インバウンド売上高は前年同期比22%増加した一方、中国政府の渡航自粛要請の影響で中国人訪日客数は減少しており、他国からの訪日客や国内富裕層による需要がその分を補ったとみられる。
百貨店事業はグループ全体を大きく上回るペースで伸びた。連結売上高は前年同期比0.5%増の1645億円にとどまり、グループの営業利益は32.2%増の72億円。客数の落ち込みを背景にスーパー事業の営業利益は25%減の17億円となっており、今期のグループ業績を牽引しているのはスーパーではなく百貨店だ。
見出し数値の裏にある一時要因
最も目を引く数値、親会社株主に帰属する四半期純利益(157.9%増の102億円)は事情が異なる。この伸びのおよそ半分にあたる約51億円は、同社が長年保有してきた東宝株式の一部売却による特別利益だ。同社はこれを一時的な要因と位置付けており、通期業績予想(売上高7120億円、1株当たり利益199円99銭)は据え置いた。これは今回の売却益が今後も続くとは見ていないことの表れといえる。純利益の見出し数値だけを見て百貨店事業本来の営業改善と切り離さずに評価すると、今回の四半期の強さを実際以上に評価してしまうことになる。
より持続性のある材料は見出しの純利益ではなく事業別の内訳にある。改装済みの旗艦店がインバウンドの高額消費と国内富裕層の需要をともに取り込めているのは、国内で縮小傾向にある百貨店という業態が必要としている「見せ方と品揃え」への投資が奏功している証拠であり、うめだのようにフロアを自ら保有する小売業者はその改装をより機動的に進められる強みがある。次の四半期で注目すべきは、一時的な売却益を含まない百貨店事業単体の営業利益がどう推移するかだ。うめだ本店の改装効果が積み上がり続けるのか、それとも前年同期の反動にすぎなかったのかが、そこで見えてくる。
前年同期比(%、営業ベース)