食品消費税引き下げ、賛否分かれる 国内消費者調査
食品消費税を2年間の期限付きで1%へ引き下げる政府方針について、インテージの全国調査では賛成よりわずかに反対が多いことが判明。約3割が引き下げまで購入を控えると回答し、小売各社は来春にかけての需要変動への対応が課題となる。

国内最大の消費者パネル調査会社インテージは、政府が検討する食品の消費税を8%から1%へ、来年4月から2年間の期限付きで引き下げる案について、15〜79歳の男女3,052人を対象に行った全国調査で、賛成派31.3%に対し反対派34.7%とやや反対が多かったと発表した。男性は賛成がやや高い32.6%だったが、反対も4割近くに達し、賛否が割れる結果となった。調査は、税制改正大綱の閣議決定が見込まれていた9月15日の臨時国会召集に先立つ8月28日から9月1日にインターネットで実施したという。
反対・慎重な理由としては「2年間の期限付きである」が39.1%で最も多く、「将来的な増税への懸念」38.2%、「将来的な社会保障減額への懸念」28.3%が続いた。また「食品価格の上昇で軽減効果を感じられない」との回答も37.0%に上り、「小売・メーカーが値下げ分を自社の取り分にし、価格に反映しない」との見方も26.8%あったという。
購買行動への影響については、約半数が「変わらない」と回答した一方、「引き下げが始まるまで購入を控える」とした人は32.6%、「引き下げ後にまとめ買いする」とした人は25.8%に上った。4月をはさんで需要が一時的に落ち込み、その後まとめ買いの反動が来る可能性を示す結果だ。
軽減された分の使い道では「貯蓄に回す」が25.7%で最多、「旅行・ドライブ・レジャー」15.1%、「投資」10.4%が続いた。普段買わない高品質な商品や特別なご褒美に使うと答えた人は、それぞれ2割前後にとどまった。
食品スーパーや百貨店の食品フロア(デパ地下)にとって注視すべきは賛否の数字そのものより、3割強が引き下げ前に購入を控えようとしている点だろう。4月前後に一時的な需要の谷と、その後のまとめ買いの山が生じる可能性があり、販促計画は両方を見据える必要がある。インテージ生活者研究センター長は、生活者が将来への慎重さと「ちょっとした贅沢」への欲求の間でバランスを取っていると分析しており、日常の節約ニーズと上質・感情的・体験的価値の両方に訴求できる企業が強いとみている。