インテージとNTTデータ、消費者パネルデータを商品開発に直結するAI基盤の構築へ
国内最大手の市場調査会社インテージが、NTTデータと連携し、小売・消費者パネルデータをAIで商品コンセプトの立案・評価まで直結させる基盤の構築を始めた。食品・飲料・化粧品メーカー向けの新商品やPBが、どれだけ早く店頭に並ぶかを左右する「配管」にあたる取り組みだ。

国内最大手の市場調査会社インテージは10月5日付の発表で、NTTデータおよび同社子会社のNTTデータビジネスシステムズと戦略的に連携し、消費者・市場データを商品企画から処方設計まで一気通貫でつなぐAI基盤を共同で構築すると明らかにした。基盤には、全国約6,000店舗の販売データを集計する小売店パネル調査「SRI+」と、15〜79歳の消費者約70,000人を対象とするパネル調査「SCI」のデータを活用し、AIエージェントがこれらのデータをもとに商品コンセプトの立案・評価まで行うという。
対象業種は食品・飲料・日用品・化粧品メーカーに加え、プライベートブランド(PB)を開発する小売業者も想定する。まずは個別の消費財メーカーと実証・検証プロジェクトを進め、将来的には商品開発にとどまらずサプライチェーンやマーケティング領域への応用も視野に入れるとしている。
3社が掲げる狙いはスピードだ。パネルデータが示す「実際に売れているもの」と、メーカーが次に作る新商品の仕様との距離を縮め、購買データと店頭商品の間に挟まる幾度ものコンセプト検証の工程を圧縮する構想とみられる。小売業がほぼあらゆる業務をデジタル化してきた中で、この工程は依然として最も手作業に頼る領域の一つであり続けてきた。とりわけ、ナショナルブランドに対する最大の武器が「店頭投入までの速さ」であるPB開発にとって、影響の大きい取り組みだ。
実証段階がどこまで進み、いつメーカーや小売業者が対価を払って使う有料サービスへと移行するのかが、今後の焦点となる。