Jフロント リテイリング、7月の百貨店売上高0.6%増にとどまる 縮小した大丸梅田店が免税好調を相殺
Jフロント リテイリングの7月の百貨店売上高は前年比0.6%増にとどまった。意図的に売場を縮小した大丸梅田店が、グループ全体で好調だった免税売上の伸びを相殺した形で、梅田店を除けば伸び率は4%台だった。

Jフロント リテイリングが発表した月次の売上速報によると、7月の百貨店事業の売上高は前年比0.6%増にとどまった。旗艦店である大丸梅田店の大幅な落ち込みが、グループ全体で好調だった免税売上の伸びを相殺した形だ。
大丸梅田店の7月の売上高は前年比38.4%減となり、2桁減の状態が続いた。同社はこれを売場面積の縮小によるものとしている。梅田店を除いてみると数字は大きく変わり、百貨店事業合計は0.6%増ではなく4.3%増、グループの中核会社である大丸松坂屋百貨店も0.2%減ではなく3.8%増だったことになる。同社はまた、前年にあった近隣の万博会場関連の売上押し上げ効果がなくなったことも、グループ全体の減少要因として挙げている。
全15店舗のうち11店舗が7月の売上高で前年実績を上回り、うち大丸神戸店(11.1%増)、大丸札幌店(11.7%増)、博多大丸(12.5%増)の3店は2桁増となった。松坂屋名古屋店単体の商品売上高は6.1%減だったが、同社が6月から新たに開示を始めた、周辺の定期借家テナントの売上を合算した取扱高でみると8.3%増となる。百貨店自体の売上高だけでは、立地としての実力を測りきれなくなっていることを示す数字だ。
大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高は7月に前年比22.4%増(梅田店を除くと31.2%増)となった一方、免税購入者数は同10.3%減少したと同社は説明している。客単価はラグジュアリーブランドの好調を背景に36.5%伸びたという。訪日客数の伸びが鈍る一方で高額なラグジュアリー消費が円ベースの売上を押し上げるという構図は、今年に入って国内の主要百貨店各社が繰り返し示してきた傾向と重なる。免税を除く国内売上高はグループ全体で3.1%減(梅田店を除くと0.3%増)となっており、7月の見出し数値がいかに免税に依存しているかがうかがえる。
梅田店をめぐる話は、実質的に二つの話が重なっている。一つは、売場面積を意図的に大きく縮小したことで、比較対象が旧来の店舗規模である限り数字が押し下げられ続けるという要因。もう一つは、その一店舗を除けば、グループ全体は健全なペースで成長しているという事実だ。焦点は、比較対象が縮小後の売場規模に置き換わった後、梅田店が同等以上の売場効率を実現できるかどうかにある。それによって、今回の縮小が規模を犠牲にして生産性を高める判断だったのか、単なる撤退だったのかが見えてくるはずだ。
前年同月比(%)