ジャガー・ルクルト銀座新旗艦店が完成、自社の技術遺産と4つの日本の工芸を重ねる
ジャガー・ルクルトが7月に予告していた並木通りの新旗艦店が8月20日に開業した。完成した4フロアには、既報の体験型工房フロアだけでなく、マニュファクチュール・ウォールやキャリバー・ウォール、パーソナライゼーションバーが揃い、それぞれ異なる日本の工芸工房と組み合わされている。

ジャガー・ルクルトは8月20日、銀座・並木通りの新旗艦店を開業した。リシュモン ジャパンが7月に発表していた移転計画が完了した形で、開業当日にPR TIMES経由で配信されたリリースが明らかにした。
リリースによれば、フロア構成は4層に分かれる。1階には108の製造技術を動画シリーズで紹介する「マニュファクチュール・ウォール」を設け、ムーブメント組み立ての実演も行うほか、レベルソ、ポラリス、ランデヴー、マスター ウルトラシン、マスター コントロール、デュオメトル、マスター グランド トラディションなどのコレクションとアトモス置き時計を展示するという。2階には同社がこれまでに開発した1,400を超えるムーブメントを紹介する「キャリバー・ウォール」を置き、自社製ムーブメント「cal.860」を軸に据えた解説動画も用意する。3階はストラップをカスタムできるパーソナライゼーションバーとVIPラウンジ、4階には7月に予告済みだった体験型時計制作フロア「アトリエ・ド・アントワーヌ」があり、招待制の「レベルソ ワークショップ」を実施しているという。
各フロアにはそれぞれ異なる日本の工房が組み合わされているという。1階には折り紙作家・西村祐子氏によるインスタレーション、2階には京都の工房・谷端(TANIHATA)による組子細工パネルで、製造拠点があるヴァレ・ド・ジューの風景を表現。3階VIPラウンジには金糸と砂を織り込んだ西陣織をKachi Textilesが手がけ、館内各所には桐生の織物職人・hicoによる絹糸の照明が配されているという。
フロア構成そのものより注目すべきは、この工芸の組み合わせだ。ジャガー・ルクルトの訴求は規模に基づく——リリースによれば1833年の創業以来、1,400を超えるキャリバーと430を超える特許を持つという。そうした自社の歴史をただ展示するのではなく、各フロアに異なる日本の工房を並べて見せる構成を選んだ。これは製品面というより、プレゼンテーション面での賭けと言える。刷新された店舗を単一ブランドのショールームではなく、二つの工芸の伝統が共演する場に仕立てているのだ。並木通りに時計メゾンの旗艦店が連なる中、顧客に隣のブティックではなくここへ足を運ばせるための接客劇場として、こうした演出はますます欠かせなくなっている。