6月の日本の小売販売額はほぼ横ばい 衣料品は-14.8%、自動車は+16.6%と明暗分かれる
経済産業省が発表した6月の商業動態統計(速報)によると、小売業販売額は前年同月比わずか+0.5%にとどまった。織物・衣服等は-14.8%と落ち込む一方、自動車は+16.6%と伸びており、明暗が分かれた。同じ決算シーズンにラグジュアリー各社が日本で二桁成長を報告しているのとは対照的な、量販小売の厳しい実態が浮かぶ。

経済産業省が7月31日に発表した「商業動態統計」6月分(速報)によると、6月の小売業販売額は前年同月比+0.5%の13兆190億円にとどまった。卸売業を含めた商業販売額全体は+7.3%の55兆8250億円と伸び、卸売業単独では+9.6%だったという。
小売業計の伸びの内訳は業態によって大きく分かれる。織物・衣服等小売業は前年同月比-14.8%と、同統計が示す業態のなかで最も大きな落ち込みとなった一方、自動車小売業は+16.6%ともっとも高い伸びを記録した。各種商品小売業(百貨店等)は-1.1%、飲食料品小売業は-0.5%、燃料小売業は-3.3%。季節調整済みの前月比では、小売業計は-4.1%だったという。
衣料品の弱さは、この春以降のアパレルチェーンや百貨店の軟調な業績とも符合する。一方、自動車の伸びは消費者心理の改善というより、供給・登録台数の回復要因が大きいとみられる。両者を合わせて読めば、消費者が裁量的な衣料品支出を抑える一方、非裁量的な大型商品カテゴリーは回復しているという構図が浮かび、小売全体の底上げとまでは言えない。
この明暗は、今夏に相次いだラグジュアリー各社の決算と並べるといっそう際立つ。複数の海外ラグジュアリーメゾンが同じ時期の上期決算で日本の二桁成長を計上しており、その原動力はインバウンド消費と円安であって、ここでのMETI統計が捉える国内の一般消費者とは客層が異なる。とはいえ、国内全体の衣料品カテゴリーが前年比-15%近く落ち込む一方で、ラグジュアリー各社が逆方向に大きく伸びているという対比は、日本の小売の回復がいかに二極化しているかを示す、もっとも明確な材料のひとつといえるだろう。
前年同月比(%)