全国SC売上高、51カ月ぶりに前年割れ その裏で進む都心と郊外の二極化
全国のショッピングセンター売上高が6月、51カ月ぶりに前年割れした。ただし全体の数字の裏では、都心型SCが増収を維持する一方、郊外型SCは大きく落ち込むという二極化が進んでいる。

日本ショッピングセンター協会(JCSC)によると、全国のショッピングセンターの既存店売上高が6月、51カ月ぶりに前年を下回った。同協会が7月24日に公表した月次統計では、6月の既存SC売上高は前年同月比1.6%減となり、2022年2月以来のマイナスとなった。
JCSCは要因として、祝日が前年より1日少なかったカレンダー要因に加え、台風6〜8号が相次いで本州付近を通過したこと、気温が前年を下回ったことを挙げている。同協会によれば、この組み合わせが夏物衣料の販売を特に押し下げたほか、日焼け止めや暑さ対策関連などの雑貨も同様の理由で不振だった。飲食テナントも悪天候の日を中心に来店客数が落ち込んだという。
都心と郊外で広がる格差
ただし全国合計の数字は、JCSCのリポートが明示するもう一つの動きを覆い隠している。立地別に見ると、都心型SCは前年同月比1.2%増と増収を維持した一方、郊外型SCは同2.8%減と落ち込んでおり、その差は4ポイントに達する。地域別では東北が同5.1%減と最も弱く、全体で増収となったのは九州・沖縄(同1.3%増)と北陸(同1.4%増、うち北陸の都心型は同9.2%増)のみだった。
前年同月比(%)
天候やカレンダー要因によるこの種の落ち込みは翌月以降に反動が出やすく、6月単月の数字だけをもって市場の構造変化と見るのは早計だろう。むしろ持続的なシグナルとして注目すべきは立地別の格差だ。これはfloortokが数年来注視してきた集客パターンと符合する。すなわち、車での来店に依存する郊外型モールは悪天候や家計の引き締めの影響を真っ先に受けやすい一方、交通結節点に近く、観光客や周辺のオフィスワーカーがもとから存在する都心型SCは相対的に底堅い、という構図である。冷夏や平日祝日の減少が今後も続くなら、平日の安定した来店客を持つ物件が、週末の外出計画に依存する物件より優位に立つ流れは強まりそうだ。