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自由が丘駅前、100年の節目に初の大型複合施設「JIYUGAOKA MUSE SQUARE」開業

自由が丘駅前に15階建ての複合施設「JIYUGAOKA MUSE SQUARE」が9月17日、約60店舗を擁して開業した。事業主体の再開発組合によれば、同駅の開業以来、地区として初めての大型屋根付き施設だという。街に古くからある個人商店にとっても、影響を避けられない床面積の増加である。

緑豊かな高級住宅地の駅前商店街に建つ、ガラス張りの高層複合施設を描いたイラスト。庇の下を行き交う歩行者たち
イラスト:floortok.com

自由が丘駅前に建設された15階建ての複合施設「JIYUGAOKA MUSE SQUARE(ジユウガオカ ミューズスクエア)」が9月17日、約60店舗の商業施設とオフィス、住宅を備えて開業した。事業主体である再開発組合によれば、同駅の開業以来、地区として初めての大型屋根付き施設だという。

地権者らで構成する自由が丘一丁目29番地区市街地再開発組合が、ヒューリックおよび施工を担った鹿島建設とともに開発し、リーシングは住友商事グループの住商アーバン開発が担当した。建物は地上15階・地下3階建てで高さ約60メートル、延床面積は約4万6000平方メートルにのぼり、このうち商業床は約1万1000平方メートルを占める。着工は2023年10月。

組合は開業の時期について、自由が丘駅の開業から約100年の節目に合わせたものだと説明し、次の100年を見据えたまちづくりだとしている。組合自身の発表資料では、屋根のある大規模な商業施設がないままでは自由が丘が衰退しかねないという危機感が背景にあり、地権者が一体となって取り組む「リーディングプロジェクト」だと位置づけている。

スーパーと子育てフロア、そして60店舗

商業フロアの核となるのは、自由が丘に長く親しまれてきた高級スーパー「明治屋 自由が丘ストアー」の新店舗と、スターバックスが運営するシェアラウンジだ。5階はヒューリックが手がける「こどもでぱーと 自由が丘」が単独で占める。保育、学童保育、中学受験対応の進学教室、小児科クリニック、ABCクッキングスタジオ、そろばん教室などの機能を1フロアに集約した施設で、ヒューリック自身の発表によれば、こうした機能をワンフロアにまとめるのは同社として初の試みだという。2025年4月に開業した「こどもでぱーと 中野」「こどもでぱーと 玉川」の会員は合計2000人を超えており、その後継施設という位置づけになる。館内にはfloortokが別途取り上げたユナイテッドアローズの女性向け店舗と、デザイナー桑田悟史氏とのカプセルコレクションを展開する新生「エーグル」の店舗も入る。

個人経営の路面店やカフェが街の個性をつくってきた自由が丘にとって、一棟で商業床約1万1000平方メートルを一気に加えることは、単なる見た目の変化にとどまらない。スーパーや全国チェーンのアパレル、平日の家族連れを呼び込む子育て特化フロアまでを一カ所に集めたことで、駅前はショッピングセンターや駅ビルに近い集客装置を得た形だ。この新しい床が周辺の既存店にも回遊をもたらすのか、それとも新棟が呼び込む賃料水準に押される形になるのかは、街の衰退への危機感を隠さない組合自身の言葉が、なお開いたままにしている問いである。