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分析

万博の反動は関西の鉄道各社に及んだ。それでも売場の成績は分かれた

近鉄グループホールディングスと南海電気鉄道は、2026年4〜6月期の決算短信でそろって「大阪・関西万博の反動減」を挙げ、JR西日本も同じ方向の数字を並べた。ただし当四半期で最も伸びた流通事業は関西にあり、最も落ち込んだ二つは東京にある。分かれ目は立地ではなく、各社が売場に何をしてきたかにある。

大阪の駅ビルの2層を同時に描いたイラスト。上層は百貨店の売場で、低い什器に並ぶハンドバッグを簡略化された人物が見て回り、高い窓から日差しが差し込む。下層はホームで、停車中の列車のドア前に2人が立ち、細い柱が上下の階をつないでいる。
イラスト:floortok.com

近鉄グループホールディングスと南海電気鉄道は、2026年4〜6月期の決算短信にそろって「大阪・関西万博の反動減」という表現を置いた。両社とも当四半期の押し下げ要因として明示している。ただ読むべきはその一語よりも、その下にある数字だ。関西の主要な鉄道系デベロッパー3社は同じ「いなくなった人出」を通過したが、傘下の売場が出した答えは同じではなかった。

近鉄GHDの流通事業は、あべのハルカスに入る近鉄百貨店を中核に、売上高が0.6%減の543億円となりながら、セグメント利益は37.5%増の23億円に伸びた。同社は百貨店の売場改装、店頭催事、堅調な免税売上を挙げ、これらが万博の反動を上回ったと説明している。一方、ホテル・レジャー事業には同じ受け皿がなかった。売上高は同じく0.6%減にとどまったが、セグメント利益は48.4%減。同社はこれを万博の反動に加え、中国からの旅行需要の抑制によるものとしている。

南海電鉄の売場はまた別の読み方になる。なんばの商業施設と駅ナカを含む流通事業は、売上高が5.1%増の80億円。同社はテナント売上の増加に伴う賃料収入の増加を理由に挙げる。それでもセグメント利益は運営経費の増加により4.4%減の12億円だった。テナントの売上が伸びているのに賃貸人側の利益が減るのは、需要の話ではなくコストの話である。同社が万博の反動減を明記しているのは、流通ではなく運輸事業の側だ。

3社のうち規模が最も大きいJR西日本は、最も厳しい四半期となった。ルクアと大阪ステーションシティの商業施設を含む流通業は売上高が4.8%減の551億円、セグメント利益は26.4%減の38億円。不動産業も売上高7.8%減、利益16.6%減となった。通期見通しも売上高0.9%減、営業利益16.7%減と減益を見込む。なお、同社は決算短信で万博の反動には言及していない。その説明を出しているのは近鉄と南海であり、JR西日本が加えるのは規模、すなわち大阪駅という最大の場所で読んだ同じ3カ月である。

同じ四半期、東京も割れた

万博の反動だけが説明のすべてなら、東京の鉄道各社はきれいな四半期を出したはずだ。実際はそうならなかった。東武鉄道は池袋の東武百貨店と東京スカイツリータウン・ソラマチを含む流通事業のセグメント利益が24.4%増、小田急電鉄も新宿の小田急百貨店を軸とする生活サービス事業が16.9%増となった。同じ3カ月で、東急の生活サービス事業のセグメント利益は33.9%減、京王電鉄は35.3%減。京王のこの区分には新宿の京王百貨店と京王モールが含まれる。東京の2社が4分の1前後の増益、2社が3分の1前後の減益である。

7社を並べると、境界線は万博の有無とは別のところに引かれている。当四半期で最も強い流通の数字は、人出を失った側の関西にある近鉄のものであり、下位3社のうち2社は、そもそも万博を持たなかった東京の事業者だ。万博の反動は人流の話であり、人流は鉄道系デベロッパーが年ごとに一定に保てない唯一の入力だというのが編集部の見方である。動かせるのは売場のほうだ。どの区画にどのカテゴリーを置くか、その月に何を走らせるか、実際に来た旅行者に向けて免税カウンターが機能しているか。近鉄はまさにそれを続けた四半期だったと説明しており、売上を減らしながら利益を増やしたのはこの会社である。

同じ時期の決算に、同じ形の数字が二つある。単独上場の近鉄百貨店は3〜5月期の売上高が1.2%減、営業利益は79.4%増の19.3億円。事実上、銀座が事業のすべてに近い松屋は、同じ3〜5月期に売上高が5.9%増の121億円、営業利益は35.9%増だった。いずれも利益の伸びが売上の伸びを大きく上回っており、これは近鉄の流通事業が4〜6月期に開いた差と同じものだ。百貨店の採算は売上より速く改善している。それは来店客数の変化ではなく、売場の運び方の変化である。

鉄道系7社の売場、2026年4〜6月期

セグメント利益(前年同期比、%)

+37.5%近鉄GHD+24.4%東武+16.9%小田急−4.4%南海−26.4%JR西日本−33.9%東急−35.3%京王
各社 2027年3月期 第1四半期決算短信 · 作図:floortok

試されるのは下期だ。近鉄のホテル事業は、打ち返す材料がないときに万博の反動がいくらになるかを示している。宿泊にはさらに、同社が明記する中国からの旅行需要の抑制も乗る。JR西日本はすでに通期を下方に見込む。この分岐が秋まで続くなら、関西で意味のある問いは人出がいつ戻るかではなく、静かな四半期のあいだに売場の中身を変えたのはどの事業者か、になる。