ケイト・スペード、ジョナサン・サンダース氏を新クリエイティブディレクターに起用
タペストリー傘下のケイト・スペード ニューヨークが、プロダクトとブランドイメージの両方を一人のデザイナーに委ねる。アンド・アザー・ストーリーズから移籍するジョナサン・サンダース氏が来月、新体制の指揮を執る。

タペストリー傘下のケイト・スペード ニューヨークは7月21日、ジョナサン・サンダース氏をエグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクターに起用すると発表した。就任は8月26日付で、ブランドのプレジデント兼最高経営責任者であるエヴァ・アードマン氏の直属となり、同氏はニューヨーク・ハドソンヤードにあるケイト・スペード本社に拠点を移す。
サンダース氏はアレキサンダー・マックイーン、ダイアン・フォン・ファステンバーグ、カルバン・クライン、ティファニー、プッチなど、デザイン性の高いブランドを中心に20年以上のキャリアを積んできた人物で、直近は「アンド・アザー・ストーリーズ」でチーフ・クリエイティブ・ディレクターを務めていた。ケイト・スペードではプロダクトデザインの方向性とブランドのビジュアルアイデンティティの両方を一人で統括する。
「ジョナサンは私たちの顧客への強いこだわりを共有しており、ブランドの本質を理解している」
発表で注目すべきは、プロダクトとイメージの両方を一人のデザイナーに委ねた点だ。これはタペストリーが傘下のコーチで既に採ってきた体制で、同ブランドは単独のクリエイティブディレクターの下で10年以上かけて立て直しを進めてきた。創業30周年を迎える、コーチより小さなケイト・スペードで同じ体制がどこまで機能するかは、サンダース氏による最初のコレクションが店頭に並んで初めて見えてくる。
日本のケイト・スペードは、自社店舗に加え、百貨店のコンセッションやモール、アウトレットを通じた販売の比重が大きい。クリエイティブの刷新がこうしたチャネルに届くのは遅く、届き方は「品揃え」としてである。バイイングは数シーズン先まで固まっており、売場の壁面が組み替わるのは新商品が実際に入荷してからだ。注目すべきはソーンダース氏の初コレクションではなく、その次だろう。日本のバイイングが新しい方向性をどこまで反映するのか、それとも従来の定番が売場を占め続けるのか。これはマーケティング以前に、商品と売場づくりの問題である。