三井不動産、第1四半期は減収減益も 賃貸・マネジメント・施設営業は過去最高益
前年同期の物件売却の反動で、三井不動産の第1四半期決算は見劣りする数字が並ぶ。しかしその比較を除けば、賃貸・マネジメント・施設営業の各事業はいずれも過去最高の第1四半期利益を記録した。

三井不動産の2027年3月期第1四半期(4〜6月期)決算は、売上高・営業利益ともに大きく落ち込んだ。もっとも本日発表された決算資料によれば、その要因は前年同期の反動にある。前年同期には毎年繰り返されるわけではない大型の物件売却があり、比較のハードルを押し上げていた。
6月末までの3カ月間の売上高は前年同期比23.1%減の6,169億円、営業利益は同35.4%減の1,035億円になったという。事業利益は同44.3%減、経常利益は同37.9%減、親会社株主に帰属する四半期純利益は同39.0%減と、いずれも減益だった。ただし同社は、営業利益・経常利益については、過去最高だった前年同期に次ぐ、第1四半期として2番目に高い水準だったとしている。
ただし決算の中身を見ると、不動産事業そのものの勢いが衰えている様子はうかがえない。同社によれば、賃貸・マネジメント・施設営業という主要3セグメントの事業利益は、いずれも第1四半期として過去最高を更新した。
けん引役は賃貸事業
国内外のオフィスおよび商業施設の収益で構成される賃貸セグメントの事業利益は517億円で、前年同期比60億円増となった。通期計画1,800億円に対する進捗率は28.8%。同社は、国内外オフィスの収益・利益の伸長と、商業施設の売上増加を要因として挙げている。floortokがビルごとに追いかけている商業施設群の稼ぎも、この数字の一部を支えている。
運営管理受託とリハウス(個人向け仲介)からなるマネジメントセグメントは、事業利益が前年同期比24億円増の198億円。運営管理受託件数の増加や、リハウスの取引件数・単価の向上が寄与し、通期計画750億円に対する進捗率は26.5%だった。国内ホテルと東京ドームを含む施設営業セグメントは同6億円増の150億円(通期計画450億円に対する進捗率33.4%)で、国内ホテルのADR(平均客室単価)上昇と東京ドームの収益・利益の伸長が寄与したという。
通期業績予想は5月13日公表時点の売上高2兆8,000億円、営業利益4,100億円などの水準を据え置き、想定の範囲内で順調に進捗しているとした。同社自身、この通期予想を売上高・事業利益・経常利益・純利益いずれも過去最高となる水準と位置づけている。今四半期の減収減益だけを見れば勢いを欠くようにも映るが、実態はむしろ逆で、大型物件売却に左右されやすい業績構成が、賃貸・マネジメントの積み上げ型収益によって着実に平準化されつつあると見るべきだろう。国内外の賃貸収益の伸びが、単発の物件売却による振れ幅をどこまで相対的に縮めていくか、今後の四半期でも注視したい観点だ。
前年同期比(%)