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モンクレール、日本を含むアジア事業が売上の半分超に 欧州はインバウンド低迷で伸び悩む

モンクレールグループが発表した2026年上期決算によると、日本・韓国を含むアジア地域でのモンクレールブランドの売上高は為替一定ベースで19%増加し、ブランド売上高全体の54.4%を占めるまでに拡大した。一方、欧州・中東・アフリカ(EMEA)はインバウンド需要の弱さを背景に4%減少した。

編集イラスト — 欧州の店頭とアジアの商店街が反射で重なる情景。
イラスト:floortok.com

モンクレールグループは7月22日付で公表した上期決算資料の中で、2026年上期の連結売上高が前年同期の12億2570万ユーロから9%増(為替一定ベース、実勢レートでは5%増)の12億8990万ユーロに達したと明らかにした。新たに就任したバルトロメオ・ロンゴーネ氏が グループ最高経営責任者(CEO)として発表する最初の決算となる。成長を牽引したのは圧倒的にアジアで、インバウンド需要に頼る欧州の店舗は苦戦した。

グループ売上高の84.5%を占める中核ブランド、モンクレール単体の上期売上高は10億8960万ユーロ(為替一定ベースで9%増)だった。このうち、モンクレールが日本・韓国とその他のアジア太平洋地域を含めて定義する「アジア」は為替一定ベースで19%増の5億9290万ユーロとなり、同ブランド売上高に占める比率は前年同期の50.6%から54.4%へと、初めて過半を超えたと同社は説明している。対照的にEMEA(欧州・中東・アフリカ)は為替一定ベースで4%減の3億4970万ユーロにとどまった。モンクレールは第2四半期のEMEAの不振について、とりわけアジアからの訪問客を中心としたインバウンド需要の弱さと、オンライン販売の不振を要因として挙げている。南北アメリカは為替一定ベースで6%増の1億4700万ユーロと、比較的緩やかな伸びだった。

グループ売上高の15.5%を占めるもう一つのブランド、ストーンアイランドも同様にアジアへの傾斜を見せたが、その内訳はやや異なる。同ブランドのアジア売上高は為替一定ベースで25%増の6040万ユーロと、モンクレールブランドのアジアの伸び率を上回った。もっとも、ストーンアイランド自身にとって最も伸び率が高かった地域はアジアではなく、絶対額はなお小さいものの為替一定ベースで35%増の1420万ユーロとなった南北アメリカだった。グループ全体のEBIT(利払い・税引き前利益)は2億4540万ユーロに増加し、利益率は前年同期の18.3%から19.0%に上昇。純利益は1億6470万ユーロだったとモンクレールは発表した。

経営体制の移行が一段落

今回の上期は、1月に発表されロンゴーネ氏が4月1日付でグループCEOに就任して以降、初めての決算発表期間にもあたる。創業者のレモ・ルフィーニ氏は取締役会長として残留し、グループのクリエイティブディレクションを引き続き統括する。決算期末後の出来事として、取締役2名の退任も開示された。非業務執行取締役のアレクサンドル・アルノー氏は自身の職務上の事情を理由に退任し、独立取締役のジェフロワ・ヴァン・レームドンク氏も、エグゼンプラー・ラグジュアリー・グループ(旧サックス・グローバル)のCEOを引き続き務める判断を理由に退任した。取締役会は、LVMHファッショングループの元会長兼CEOであるシドニー・トレダーノ氏をアルノー氏の後任として選任した。同社はいずれの退任も通常のガバナンス上の手続きと説明している。

ルフィーニ会長は発表文の中で、事業環境は依然として複雑で先行きを見通しにくいとの認識を示した。

モンクレールの事業構成の変化は、物語である以上に算術の帰結でもある。年19%というペースで拡大を続ける地域があれば、突出した単一シーズンがなくとも、グループの重心はおのずとアジアへ寄っていく。一方、欧州自体の回復は、同社自身が弱含みと認めるインバウンドの客足に左右される構図が続く。これは、いくつかの欧州系ラグジュアリー企業と比べても、モンクレールが下期以降の中国をはじめとするアジア需要の動向により左右されやすい立場にあることを意味する。日本は依然として単独では開示されず、アジアという括りの中に含まれたままだ。その比重が高まり続ける中で、グループがいずれ日本市場を切り出して開示するようになるかどうかは、floortokとして注視していきたい点だ。

モンクレールブランド:2026年上期の地域別売上高成長率

前年同期比(為替一定ベース、%)

+19%アジア+6%南北アメリカ−4%EMEA
モンクレールグループ 2026年上期決算資料 · 作図:floortok