外食産業、8月も売上高4.9%増 13カ月連続の増収基調も消費税減税で店内飲食に懸念
日本フードサービス協会によると、2026年8月の外食産業売上高は前年比4.9%増となり、少なくとも13カ月連続の増収基調が続いた。お盆の帰省・観光需要と客単価の上昇が台風・大雨による客足減を上回った形だが、同協会は食料品の消費税率引き下げが実現すれば外食の店内飲食が大きな打撃を受けると懸念を示している。

日本フードサービス協会(JF)が発表した「外食産業市場動向調査」2026年8月度によると、会員229社・3万6,982店舗の全店売上高は前年同月比4.9%増となった。同協会自身の時系列データを見ると、この1年強、少なくとも直近13カ月は毎月前年を上回る売上高が続いている。
8月は中下旬に台風の影響や局地的な大雨が相次ぎ、特に週末を中心に客足にマイナスの影響が出たと同協会は説明する。それでも、お盆期間の帰省・観光需要や冷たい季節メニューの好調、客単価の2.3%上昇が下支えし、客数も2.6%増、店舗数も1.2%増となった。
業態別ではファーストフードが5.8%増と最も好調だった。内訳では、TVCMを展開した新メニューや冷たい季節メニューが好評だった「和風」が7.3%増、お盆向けのビッグサイズ商品のデリバリー需要が伸びた「洋風」が6.5%増、ゲームやアニメのキャラクターとのコラボが奏功したアイスクリーム・カレーなどの「その他」が7.8%増となった。ファミリーレストランは全体で3.7%増、なかでも低価格業態やアニメコラボが効いた「洋風」が5.5%増と最も伸びた。ディナーレストランはお盆の家族需要や和食の食べ放題が好調で5.5%増となったが、大阪地域では前年の大阪・関西万博関連需要の反動が重荷になった。喫茶は天候不順の影響を受けつつもお盆の帰省・旅行需要に支えられ4.7%増。もっとも苦戦したのはパブ・居酒屋業態で、全体では0.6%増にとどまった。ゲリラ豪雨や台風接近でビヤガーデン等の客足が乱れ、一部店舗が営業時間を短縮したことが響いたという。
天候面では、東京の8月の雨天日数は12日と、前年の7日から増加したと同協会は明らかにしている。もっとも、今後数カ月にわたり注視すべきはむしろ税制の動向だ。政府は食料品の消費税率を現行8%から2027年4月より2年間1%へ引き下げる基本方針を閣議決定しており、これは同日発表されたチェーンストア統計でも同協会が言及していた論点と同じだ。JFは、この減税が実現すれば外食の店内飲食が大きな影響を受けるとの懸念を拭いきれないと明言している。
業態別の内訳は、外食フロアの読者が注視すべき需要の所在を示している。ファーストフードとファミリーレストランは、高額消費の回復というより、値ごろ感とキャラクターコラボによって伸びている構図だ。一方でパブ・居酒屋は依然として天候の影響を最も受けやすい業態であり続けている。今回の減税に関する懸念は、業界団体のポジショントークとして軽視すべきではないだろう。食料品の店頭価格を下げる政策が、外食と中食(スーパーの弁当等)の価格差を縮めることにもなれば、値ごろ感を武器にレストランのテーブルを選ぶ理由の一つが失われかねない。それはまさに、今の外食産業の成長を牽引しているファーストフードやファミリーレストランという層そのものである。
前年同月比(%)