Sansan、ピックルボール日本連盟の最上位パートナーに就任 ― 2032年五輪入りを見据える
名刺管理SaaSのSansanが、今月開業した都内最大級のピックルボール施設に続き、ピックルボール日本連盟の最上位パートナー「グランドスラムパートナー」に就任した。日本代表チームを支援し、2032年ブリスベン五輪での正式種目入りをにらむ。

Sansan(サンサン)は7月17日、ピックルボール日本連盟(一般財団法人ピックルボール日本連盟)の最上位パートナー「グランドスラムパートナー」に就任したと自社ニュースルームで発表した。名刺管理・請求書処理のSaaSを手がける同社にとって、スポーツ団体との提携としては異例の重みを持つ。同連盟は2026年6月、日本スポーツ協会(JSPO)の公式団体としての認定を受けたばかりだった。
発表によれば、Sansanの支援は単なる冠協賛にとどまらない。2025年1月から支援してきたプロ選手育成プロジェクト「Pickleball X」を全面的に資金支援するほか、代表選手の眞澤菜英氏と澤木恵氏への個別支援、2026年日本代表チームのタイトルスポンサー就任、年間を通じた大会運営への協賛を行う。同社は、この取り組みの先にピックルボールが2032年ブリスベン五輪の正式種目に加わることを見据えていると説明した。ただし、正式種目入りは国際団体の決定次第であり、まだ決まったものではない。
このスポンサー就任は、Sansanが不動産に踏み込んだ後の動きだ。同社は2024年2月にドメスティックなプロモーション活動を開始していたが、7月10日には「Sansanピックルボールコート池袋」を開業。都内初の大型ピックルボール専用施設と位置づける。SaaS企業がコートそのものを運営してからスポンサーシップに進むという順序は、一般的なスポーツ協賛とは一線を画す。多くの企業協賛はユニフォームにロゴを入れるだけで終わる。
プロモーションの一手として見れば、この動きは急拡大する日本のピックルボール市場の文脈に位置づけられる。Sansanは、国内の競技人口を約33万人(前年比7倍)、潜在市場規模を1189万人としており、米国では過去1年間に約5000万人の成人がプレーしたとする数字も引用する。目立った小売接点を持たないSaaS企業にとって、急成長する参加型スポーツへの協賛は、自社が営業対象とする給与所得者層・健康志向層へのブランド認知を築く数少ないプロモーション手段の一つだ。ユニフォームだけでなくコートそのものを保有することで、顧客や社員を実際に招き入れる場も手に入れる。もっとも、その先見性が報われるかどうかは、Sansanの手の届かない2032年の正式種目入り決定にかかっている。