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資生堂、上期のコア営業利益ほぼ倍増 米州が黒字転換

資生堂の上期コア営業利益は前年同期比90.1%増の444億円になった。国内事業は減収でも採算が改善し、長年赤字だった米州事業も黒字に転換した。

ガラス棚に並ぶスキンケアボトルとコンパクトミラー、階層状の百貨店コスメカウンターのイラスト
イラスト:floortok.com

資生堂は8月5日に発表した2026年1〜6月期(上期)決算で、コア営業利益が前年同期比90.1%増の444億円になったと明らかにした。長年赤字が続いていた米州事業の構造改革が利益に表れ始めたことに加え、コスト規律の強化により、実質的な売上高の伸びがほぼ横ばいだったにもかかわらず利益率が大きく改善した。

売上高は前年同期比6.2%増の4,990億円だったが、同社によると、この増加のほとんどは為替影響によるもので、為替や過去の事業譲渡の影響を除いた実質ベースでは前年並みにとどまった。第1四半期は実質で3%減と低調だったが、第2四半期は2%増に転じたという。一方、コア営業利益率は5.0%から8.9%へ上昇し、中間利益(親会社所有者に帰属する利益)は3倍超の297億円となった。同社は全社的なコストマネジメントの強化を、進行中の構造改革に上乗せしたと説明している。

日本:インバウンド鈍化でも採算改善

国内事業は売上高が前年同期比0.8%減の1,447億円だったが、コア営業利益は7.2%増の209億円、コア営業利益率は13.3%から14.4%へ1.1ポイント改善した。同社は原価率・人件費率の低下とマーケティング投資の強化を挙げ、国内では「エリクシール」やブランド「SHISEIDO」の新規顧客獲得が好調だったとする一方、インバウンド関連売上は10%台半ばの減少になったと説明した。ただし、この減少幅は縮小しており、タイ・台湾・韓国など中国以外への顧客基盤の多様化が進んでいるという。

米州が黒字転換、欧州は苦戦続く

最も明確な改善が見られたのは米州事業だ。コア営業利益は前年同期の58億円の赤字から20億円の黒字に転換し、利益率は10.8ポイントのマイナスから3.6%へと14.3ポイント改善した。同社は構造改革効果に加え、欧州事業との間接材の集中購買やコンテンツ制作の共通化によるコスト削減を要因に挙げ、2026年通期での米州事業の黒字化を目指すとしている。中国・トラベルリテール事業はグループ最大の利益源であり続け、売上高は10.0%増の1,914億円、コア営業利益は22.7%増の476億円となり、利益率は24.6%に達した。中国の「618」商戦が好調だったことが寄与したという。一方、欧州は唯一マイナス方向に動いた地域で、新作フレグランスへのマーケティング投資を先行させたことから営業損失がわずかに拡大し34億円となった。同社は下期にこの差を縮める見通しを示している。

資生堂は通期見通しを据え置いた。コア営業利益については計画超過を目指す一方、特に欧米で売上高が計画を下回るリスクがあるとしている。

この決算で目を引くのは、2つの数字の落差だ。実質ベースでほぼ横ばいの売上高に対し、コア営業利益が9割増えたという結果は、需要回復というより構造改革の成果を映すものだ。同社はグループをより筋肉質に運営できることを証明しつつあるが、成長を加速できることまではまだ示せていない。下期にエリクシールの改良品や「MaxMara」の新作フレグランスなど新商品投入を強化するのは、コスト削減だけでは実現できない実質的な増収を狙うためだろう。

資生堂 2026年上期:地域別コア営業利益率

コア営業利益率(%)

+14.4%日本+24.6%中国・トラベルリテール+5.9%アジアパシフィック+3.6%米州−4.8%欧州
株式会社資生堂 2026年上期決算説明資料 · 作図:floortok