全国SC、8月売上高は既存店で2.8%増 飲食が牽引も地域差拡大
日本ショッピングセンター協会によると、8月の既存SC売上高は前年比2.8%増となり、お盆期間の家族・観光客の飲食需要が牽引した。ただし同協会自身のデータでは6月に前年割れがあった直後の増加であり、地域別では大雨に見舞われた北陸周辺部から最高の九州・沖縄まで差が広がった。

日本ショッピングセンター協会(JCSC)が発表した2026年8月のSC販売統計調査報告によると、全国561施設の既存SC売上高は前年同月比2.8%増となった。お盆や夏休み期間中、多くの施設で家族連れや帰省客、観光客の来館が増加し、なかでも飲食が売上全体を牽引したという。
同協会自身の月次比較データを見ると、8月の増加は無条件の連続増ではない。6月は前年比1.6%減という数少ないマイナスを記録しており、7月に4.9%増へ反発した直後の増収であることが分かる。
立地別では、人口15万人以上の都市(東京23区を含む)の中心市街地に立地する「中心地域」が総合で4.6%増となり、それ以外の「周辺地域」の2.1%増を引き続き上回った。同協会は、立地を問わず館内外でのイベント開催が集客増につながったとしている。
地域別の差は大きかった。九州・沖縄は4.2%増でトップとなり、お盆期間の来館増が飲食を押し上げた一方、沖縄では台風接近により一部施設が臨時休業、熊本では2026年の熊本地震の影響で休館が続く施設もあったという。北陸は総合3.1%増だったが内訳は対照的で、駅ビルなど中心地域は10.5%増と国内外観光客の来館が好調だった一方、周辺地域は月末の記録的大雨により臨時休業や時短営業が相次ぎ0.6%減となった。近畿は3.2%増で、月を通じた高温により盛夏商品や暑さ対策商品が稼働したが、猛暑による外出控えを指摘する声もあったという。中部は新施設の開業や近隣イベントの効果で3.4%増、関東は家族連れの飲食需要やお盆の帰省土産需要により全国平均と同じ2.8%増だった。
業種別では飲食がどの地域でも最も好調で、家族連れやグループ客、観光客の利用に加え、値上げによる客単価上昇も寄与した。雑貨はIP・キャラクターコラボ商品が好調で、猛暑地域では冷感・UV対策商品の需要も続いた。ファッションは地域の気温差により明暗が分かれた。もっとも、観光客への言及とは対照的に、日本政府観光局(JNTO)の発表では2026年8月の訪日外客数は309万8,900人と前年比9.6%減少しており、同協会もこの数字を参考値として引用している。今回のSC売上の伸びは、インバウンドの押し上げというより、お盆期間の国内旅行需要に支えられた面が大きいとみられる。
今回のデータが示す本当の論点は、天候リスクにさらされやすい周辺地域と、駅前・都心に立地する中心地域との差が広がっている点だろう。北陸における中心地域と周辺地域の10ポイント超の差はその典型だが、全国レベルでも中心地域(4.6%増)と周辺地域(2.1%増)の差は同じ構図で現れている。夏場の天候リスクを前提にテナント誘致やポートフォリオを組むなら、台風や大雨による休業が施設単位でなお散発している現状は、単独立地の郊外型よりも駅直結・都心型への比重を高める根拠になりうる。
前年同月比(%)