住友不動産、23施設目のホテル「ヴィラージュ熱海」開業 82室の温泉リゾート
住友不動産ヴィラフォンテーヌが、熱海のサンビーチ近くに全82室のリゾートホテル「ヴィラージュ熱海」を開業した。この30年で3施設目にとどまる「ヴィラージュ」ブランドの一方、グループ全体のヴィラフォンテーヌの客室数はすでに5,000室を超えている。

住友不動産グループのホテル事業会社、住友不動産ヴィラフォンテーヌは8月1日、静岡県熱海市に「ヴィラージュ熱海」をグランドオープンした。同社の発表によると、リゾートホテルブランド「ヴィラージュ」としては3施設目、同社が運営するホテルシリーズ全体では23施設目となる。
立地は熱海市中央町で、観光名所の一つであるサンビーチまで徒歩4分、JR熱海駅からも徒歩圏内。2026年6月に竣工した9階建てで、敷地面積は約955坪(1坪は約3.3平方メートル)。全82室にバルコニーを備え、客室タイプは8種類。最も多いのは33平米の「スーペリアツイン」で35室、最上位は床から天井近くまで広がる大型窓「ダイナミックパノラマウインドウ」を採用した95平米の「プレミアスイート」2室で、同社によるとこの窓は住友不動産グループの超高層分譲マンションで展開している仕様を取り入れたものだという。
設備面では熱海らしさを前面に出す。1階の中庭には天然温泉を使った足湯とファイヤーピットを設置し、最上階には天然温泉の露天風呂、窓付きのサウナ、海を望むレストランを配置。レストランでは熱海の食材を使ったカジュアルなフレンチブッフェを提供する。屋上テラス「Terrace 30.9」では時間限定でドリンクを無料提供するほか、熱海海上花火大会の開催時には、テラスやレストランで花火をより楽しめる限定プランも販売するという。
「ヴィラージュ」ブランドの既存2施設は、1996年開業・94室の「伊豆高原」と、2008年開業・81室の「京都」。今回の熱海は、この30年間で3施設目の開業にとどまる。一方、リリースに付された一覧表によると、ヴィラフォンテーヌグループのホテル全23施設の客室数を合計すると5,464室に上る。
「貸す」だけでなく「自ら運営する」大家
住友不動産は東京では分譲マンションやオフィスの開発会社として知られるが、リゾートホテルを外部の運営会社に貸すのではなく自ら運営している点に、同社がどこに収益機会を見出しているかが表れていると筆者はみる。「ヴィラージュ」を30年で3施設にとどめる一方、それ以外の20施設をより短い期間で開業してきたことを踏まえると、同ブランドは急拡大させる業態というより、時間をかけて選び抜いた立地に絞り込むリゾート専用の枠として位置付けられてきたようにみえる。海水浴場から徒歩4分、夏の花火大会という定番の集客要素を備えた熱海という立地選びも、その傾向に沿う。「ヴィラージュ」がより大きな展開軸に育つかどうかは、同じポートフォリオの中でより急速に拡大してきた都市型ホテル事業と比べて、この1施設がどれだけの実績を残すかにかかっている。