floortok

Journal

·
ニュース

サントリー2026年上期、売上高7.1%増も北米の逆風で純利益19.2%減

サントリーホールディングスの2026年上期は、国内ウイスキーや飲料の好調で売上高が7.1%増えた一方、米国での消費鈍化と代理店の在庫調整が響き、純利益は19.2%減少した。

琥珀色に照らされたバーカウンターに置かれたウイスキーボトルとグラスのエディトリアルイラスト、売上の伸びを示す上向きの線と利益の落ち込みを示す下向きの線が対比され、落ち着いたアンバーと紙色のトーン、文字やロゴなし。
イラスト:floortok.com

サントリーホールディングスが8月7日に発表した2026年12月期上期(1〜6月)決算によると、売上収益(酒税込み)は前年同期比7.1%増の1兆7,332億円だった一方、親会社株主に帰属する当期純利益は19.2%減の482億円にとどまった。発表は同社コーポレートマネジメント&ファイナンス本部長で執行役員の西川泰氏が担当した。営業利益は2.6%減の1,263億円、非経常的な要因を除いた修正後営業利益は8.9%減の1,291億円だった。

増収減益という対照的な結果の背景には事業構成の違いがある。売上増は飲料・食品事業と国内酒類事業の好調によるものだとし、一方の営業利益の落ち込みは主に北米酒類事業の販売不振とサプライチェーンコストの上昇によるものだと同社は説明した。

国内ウイスキーが牽引

中核事業である酒類セグメントの売上収益(酒税込み)は前年同期比わずか0.2%増の6,536億円にとどまり、営業利益は24.6%減の539億円と、グループの中で最も落ち込みの大きいセグメントとなった。国内では全カテゴリーで施策が奏功し好調だったといい、ビールでは「サントリー生ビール」の数量が前年同期比12%増となった。パッケージ刷新やJリーグとの協業が寄与したという。「金麦」も季節の食材や料理との提案を強化し前年を上回った。缶チューハイの「-196」は果実感を訴求したシリーズが好調で10%増。ウイスキーでは「角瓶」「トリス」がいずれも前年を上回り、角瓶は「インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ(ISC)2026」のジャパニーズウイスキー部門で金賞を受賞、3年連続の受賞となった。

海外ではプレミアム帯がさらに好調だった。「響」「山崎」「TOKI」といった主力の日本産ウイスキー輸出ブランドに加え、インド市場向けの「オークスミス」もいずれも前年同期を上回ったという。大阪工場内のスピリッツ&リキュール類のクラフト蒸溜所は5月から一般公開を始めており、国内外の飲用者や土産需要を取り込む酒蔵ツーリズムの流れに沿う動きだ。

痛手は北米

好調な国内外のウイスキー需要とは対照的に、北米事業は厳しい結果となった。同社によると、米国では消費の鈍化に加え販売代理店の在庫調整が続き、一部出荷が下期に先送りされたという。アジア太平洋やインド、グローバル・トラベルリテールはいずれも前年を上回ったが、北米酒類事業の規模の大きさゆえに、その不振だけで国内でのウイスキー好調による増益分の大半が相殺され、酒類セグメントの営業利益は24.6%の減益となった。この10年余り、世界的なウイスキー人気がサントリーの成長を牽引してきたが、今回の上期決算は、国内・アジアでの需要が堅調でも、最大の海外市場である北米の落ち込みを単独では吸収しきれないことを示している。

セグメント別で最も好調だったのは飲料・食品事業で、売上収益は13.9%増の9,141億円、営業利益は3.4%増の868億円だった。同社は、この事業の詳細は前日に上場子会社のサントリー食品インターナショナルが別途開示していると説明した。レストラン事業などを含む「その他」セグメントは売上収益が1.6%増、営業利益が49.3%増となり、レストラン事業の好調が寄与したという。

通期見通しは据え置き

サントリーは2月に公表した2026年12月期通期の業績見通しを据え置いた。説明では「先行きは不透明であり、厳しい事業環境が続く」とするにとどめている。これは、北米での落ち込みが構造的なものではなく一時的なものだとの見立てを意味する。説明通りに販売代理店の在庫調整が一巡すれば、下期に先送りされた出荷は計上される計算になる。それが実際に起きるかどうかが、今回の上期減益がタイミングの問題だったのか、それとも最重要輸出市場での調整の始まりだったのかを見極める判断材料になる。

サントリー 2026年上期:増収減益

前年同期比(%)

+7.1%売上高−2.6%営業利益−19.2%純利益
サントリーホールディングス「2026年12月期上期決算概要」 · 作図:floortok