東急不動産HD、第1四半期純利益16.8%減も要因は前年の特別利益の剥落 本業の営業利益は12.7%増
東急不動産ホールディングスの第1四半期純利益は16.8%減となったが、その要因は前年同期にあった95億円規模の特別利益の反動にほぼ尽きる。営業利益は堅調で、なかでもホテル・ゴルフ場などを含む管理運営事業は大きく伸びた。

東急不動産ホールディングスの第1四半期決算は、見出しの純利益こそ前年同期比16.8%減となったものの、開示された数字を見る限り、その要因はある一時的な項目が今期は発生しなかったことに尽きており、本業が弱含んだわけではない。
8月6日に開示された2027年3月期第1四半期(2026年4-6月、2027年3月期の初四半期)決算によれば、グループ売上高は前年同期比0.8%減の2857億7400万円。営業利益は同12.7%増の465億9300万円、経常利益は同8.6%増の407億2500万円だった一方、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期の306億3600万円から16.8%減の255億200万円にとどまったという。
営業利益が増えたのに純利益が減った理由は、決算書のたった一行に集約される。前年同期には関係会社株式売却益として約95億円(9,466百万円)を特別利益に計上していたが、今期はこれに相当する利益がなく、代わりに別の関係会社株式売却で1300万円の特別損失を計上したという。この一時的な要因を除けば、営業利益・経常利益とも前年を上回るという、実態としては前向きな流れが見えてくる。
セグメント別の開示から浮かび上がるのは、事業全体の減速というより、事業構成の変化だ。ホテルやゴルフ場、スキー場、シニア住宅、ビル管理受託などを含む管理運営事業のセグメント利益は、前年同期の44億6000万円から212億円弱(21,157百万円)へとほぼ5倍に急増し、今四半期で最大の利益貢献セグメントとなった。一方、オフィス・商業施設の開発・賃貸やマンション分譲を担う都市開発事業のセグメント利益は215億7300万円から46%減の115億9600万円に落ち込み、不動産の仲介・買取再販を手掛ける不動産流通事業も20%減の163億4500万円となった。規模の小さい戦略投資事業は、前年同期の5億9300万円の赤字から5億9000万円の黒字に転じた。
都市開発事業の落ち込みの一部は、需要そのものの弱さというより、通常の計上時期のずれによる可能性が高い。日本の大手デベロッパーのマンション・ビル分譲売上は、引き渡しが法的にいつ完了するかによって四半期ごとに大きく変動するのが常であり、それ自体は今後の受注状況を必ずしも示すものではない。むしろ目を引くのは、レジャー・宿泊関連事業の伸びの大きさだ。ホテルやゴルフ場、スキー場は訪日客需要の底堅さを継続的に享受してきた分野であり、今四半期はこの事業が本業である不動産開発事業を利益額で上回った。
東急不動産HDは2027年3月期の通期業績予想を据え置いた。既発表の予想からの修正はないと明示したうえで、売上高1兆4000億円(前期比12.4%増)、営業利益1900億円(同13.9%増)、純利益1000億円(同3.4%増)を見込むという。年間配当予想はわずかに引き上げられ、前期実績の48円から50円になる計画だ。
注目すべきは、このレジャー・宿泊関連事業の好調が年度を通じて継続するか、それとも今四半期特有の季節要因や一時的な押し上げ要因があったのかという点だ。通期予想を据え置いたこと自体が、経営陣がこの変化を一四半期限りのものではなく持続的と見ていることの表れと言えるだろう。
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