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分析

ドラッグストア業界が見逃せない二つの規制動向

日本チェーンドラッグストア協会が経済産業省からの二件の通達を会員企業に転達した。サプライチェーン全体に及ぶ支払適正化と、女性活躍推進に関する上場企業選定制度という、いずれも実務上の対応期限を伴う内容だ。

支払適正化:二重に強化される規制の枠組み

協会の事務連絡によれば、取引適正化に関する法律(取適法)は2026年1月1日にすでに施行されている。さらに2027年4月1日からは、独占禁止法上の「支払告示」が加わり、製造委託等に係る代金の支払いに関して特定の不公正な取引方法が明示的に規制される。二段構えの規制強化は、サプライチェーン全体での約束手形廃止を促すものだ。化粧品メーカーや医薬部外品サプライヤー、プライベートブランド製造委託先など多層的な調達網を持つドラッグストア運営企業にとって、2027年4月の期限を前に支払条件と決済手段の総点検が急務となる。

なでしこ銘柄:資本市場と連動する女性活躍推進

もう一件は、経済産業省と東京証券取引所が共同で実施する「なでしこ銘柄」および「Nextなでしこ共働き・共育て支援企業」の2026年度募集開始だ。協会の通達によると、応募期間は8月31日から10月22日正午まで(締切厳守)で、9月10日にはオンライン説明会が開かれる。選定企業の発表は3月下旬を予定している。経済産業省は、選定企業の取り組みを資本市場・労働市場に対して積極的に発信すると明示しており、ESG投資の観点からこの称号の持つ意味は年々重くなっている。女性活躍の実績データを持つ上場ドラッグストア企業にとって、応募の機会は限られている。

注目点

編集イラスト — a minimalist Japanese retail back-office corridor with shelving and natural light。
イラスト:floortok.com

より対応が急がれるのは2027年4月の支払告示施行だ。大手チェーン運営企業の調達部門と法務担当は、その期限から逆算したスケジュールをいま策定しておく必要がある。なでしこ銘柄については、10月の応募締切が直近のアクション期限となり、3月下旬の選定発表は次の機関投資家報告サイクルを前にどの小売グループがESG雇用主として自社を位置づけているかを測る有効な指標となるだろう。