ユナイテッドアローズ、コーエン譲渡で採算改善——第1四半期は増収を上回る増益
売上高は4.2%増にとどまったが、営業利益は27.5%増、純利益は44.8%増。増益の主因は売上の急伸ではなく、子会社譲渡による採算改善にある。持株会社化と記念配当を控えるなか、決算が示す構図だ。

ユナイテッドアローズは8月7日に公表した決算説明資料で、2027年3月期第1四半期(4〜6月)の連結売上高が前年同期比4.2%増の397億円だったと発表した。営業利益は27.5%増の32億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は44.8%増の21億円だった。
同社によれば、増益の主因はコーエン(子供服子会社)の譲渡によるコスト構造の改善と特別損失の縮小であり、販売そのものの伸びではないという。連結売上総利益の伸びは3.0%にとどまり、売上総利益率はむしろ0.6ポイント低下し54.6%となった。単体事業では、過年度在庫のアウトレット消化や6月の悪天候(台風・低気温)が押し下げ要因になったとしている。
単体売上高は9.6%増の393億円とより力強く伸び、既存店売上高は客単価4.5%増・客数横ばいで5.9%増となった。同社は在庫配分システム「UA3.0」の効果を挙げ、自社ECの売上が13.6%伸び、前期下期には返送コストを約3,800万円削減したとしている。海外では台湾のフランチャイズ事業が売上高48.8%増と増収増益を確保した一方、比較的新しい上海子会社は売上高29.6%増ながら出店コストの増加で採算は悪化した。今期の出退店は国内6店・海外1店の新規出店、退店はゼロで、6月末の店舗数は280店、通期予想は289店としている。
同社は2026年10月に予定する持株会社体制への移行にあわせ、1株20円の記念配当を実施することも明らかにした。普通配当を60円に引き上げたうえでの上乗せとなり、年間配当は前期の92円から112円に増額する。通期業績予想は売上高1,661億8千万円、営業利益100億円を据え置いた一方、5月に上方修正した長期目標——2033年3月期までに連結売上高3,000億円、営業利益率10%——を改めて示し、M&Aを計画に明示的に組み込んだ。
前年同期比(%)
今期の数字は、ユナイテッドアローズの見かけ上の伸び率を割り引いて読む必要があることを示している。コーエンという一事業の離脱は、売上高より下のあらゆる利益指標を機械的に押し上げる。この一過性の押し上げ効果が前年同期比の比較から消えたあとも、単体既存店の6%弱という堅調ではあるが突出はしない成長が持続するかどうかが、新中期経営計画の真の試金石となる。