JR西日本とJR九州、共同運営の高架下駐車場を初の共同開発商業施設に転換
JR西日本不動産開発とJR九州が、博多駅筑紫口の共同運営駐車場を飲食6店舗の商業施設に転換し、9月18日に開業する。両社にとって初の共同開発で、2027年春にはより大規模な第2弾も予定されている。

JR西日本不動産開発と九州旅客鉄道(JR九州)は、西日本旅客鉄道(JR西日本)と共同で7月27日付のリリースを出し、博多駅筑紫口エリアの高架下に商業施設「VIERRA(ビエラ)博多テラス」を9月18日に開業すると発表した。リリースは、これがJR西日本不動産開発とJR九州にとって初めての共同開発だとしている。
同施設が立地するのは、JR西日本が保有する山陽新幹線高架下と、JR九州が保有する九州新幹線高架下がまたがる区画で、これまで両社が共同で時間貸し駐車場として運営してきた場所だという。新施設は鉄筋コンクリート造一部鉄骨造の平屋建てで、延床面積は約1,618平方メートル。飲食店5店舗と美容関連店舗1店舗の計6店舗が入り、運営はJR西日本不動産開発が担う。
6店舗の内訳には、既存店の増床出店や九州初出店が並ぶ。福岡・大橋で18年続く海鮮居酒屋「博多ちゃってん」の2号店、2013年創業のつけ麺専門店「麺や兼虎」(今回の出店で計6店舗目)、リリースが九州初出店とするオムライス・洋食店「yellow」、博多駅前筑紫口エリアで2店舗目となる「APOC COFFEE」、移転リニューアルする焼き鳥居酒屋「ちんぷんかんぷん」、そして福岡の美容室が運営するヘアケアコスメショップ「GiseL」だ。
両社はこの開業を、より大きな計画の第一段階と位置づけている。JR西日本不動産開発は、既存の商業施設「博多活憩通り」を「VIERRA博多」としてリブランディングし、2027年春の開業を目指す方針も明らかにした。飲食・物販が連続する一帯をつくる狙いだ。リリースは、この開業の背景として、隣接する音羽公園のPark-PFI制度によるリニューアル計画や、福岡市が推進し「九州の玄関口」の機能強化を掲げる「博多コネクティッド」など、筑紫口エリアで進む一連の再開発を挙げている。
今回の話で構造的に興味深いのは、6つの店舗そのものより、それを誰が開発したかだ。JR西日本とJR九州は通常、それぞれ自社エリアの駅前不動産を独自に開発しており、通し乗車券や線路の相互利用といった枠組みを超えて手を組むことは珍しい。共同開発が実現するのは、山陽新幹線と九州新幹線の高架がまたがるこの区画のように、土地の所有が両社にまたがる場合に限られる。高架下の駐車場を飲食・物販に転換すること自体は、確実な駅前人流を活かして低収益な余剰スペースを再生する、鉄道各社の定番の手法だ。だが両社が共同で手掛け、しかも来春にはより大きな「VIERRA博多」への衣替えも予告されていることは、筑紫口エリアが一過性のテナント入れ替えではなく、両社にまたがる複数年がかりの計画的な開発の対象になっていることを示している。