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視点

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Bリーグ×ラグジュアリー · 全3回の第1回

Bリーグ、すべてをブランドに賭ける

日本のバスケットボール最高峰リーグは、勝敗ではなく観客数、売上、アリーナでクラブの参入を決めるようになった。負けても生き残れる。誰にも関心を持たれないクラブは、生き残れない。

イラスト:試合日のモダンなバスケットボールアリーナの上層席を埋めるファン。ガラス越しに湾岸の街並みが見える。
イラスト:floortok.com

日本のプロバスケットボールは、クラブに「何勝したか」を問うのをやめ、「何人を動かせるか」を問うようになった。2026-27シーズンが2026年9月22日に開幕したとき、アルバルク東京と琉球ゴールデンキングスは、2016年のリーグ開幕戦と同じ顔合わせを再現した。だが、その試合を取り巻くもののほとんどは新しくなっていた。

トップディビジョンは今やBプレミアである。26クラブで構成され、成績による昇格も降格もない。参入はコートではなく、役員会議室で勝ち取るものになった。アリーナを満員にし、チケットを売り、一定水準の売上を上げられると証明したクラブだけが入れたのである。

私はキャリアの大半をラグジュアリーとプレミアムの小売の世界で過ごしてきた。そこでは商品も大事だが、生き残る者を決めるのは「欲しい」と思わせる力だ。新しいルールを読んで、リーグがこれほど同じ論理に近づいたことに驚いた。今やチームは負けても生き残れる。だが、ファンを築けないチーム、つまり人々が足を運び、ユニフォームを買い、スポンサー契約を結ぶ理由をつくれないチームは生き残れない。新しいBリーグにおいて、ブランドはもはやマーケティングではない。存続のための免許そのものである。

今シーズン、何が変わったか

リーグはこの改革を「B.革新」と呼ぶ。成績で上り下りする仕組みを、経営で上り下りする仕組みに置き換えたものだ。

2025-26シーズンまで2026-27シーズンから
ディビジョンB1・B2・B3:41都道府県に55クラブBプレミア(26クラブ)、Bワン(25)、Bネクスト(4)
トップへの道十分に勝って昇格する1試合平均入場者数4,000人、年間売上12億円、5,000席以上のアリーナでのホームゲーム開催
昇格・降格成績による昇降格成績による昇降格はなし。経営指標でカテゴリーを決め、毎年審査
チーム人件費上限なし下限5億円、サラリーキャップ8億円
外国籍選手の同時出場2人3人
日本人若手選手の入団自由契約ドラフト(初開催は2026年1月29日)
ポストシーズンチャンピオンシップ、決勝は2戦先勝プレーオフ、8チーム、決勝は3戦先勝。優勝賞金は倍増の1億円

ドラフトの滑り出しは鈍かった。参加23クラブで指名されたのはわずか11人。多くのクラブが、固定された新人年俸を高すぎると判断した。下位指名でも年俸は約1,000万円である。8月、島田慎二チェアマンは、2027年1月28日の第2回ドラフトを前に、その条件を緩める可能性に言及した。

サラリーキャップの狙いは、資金力のあるクラブが単純にタイトルを買えないようにすることだ。同時に、競争の土俵も変わる。誰も選手獲得で他を圧倒する資金を投じられないなら、クラブはファン、スポンサー、そして注目を奪い合う勝負に勝たなければならない。

なぜブランドが死活問題になったのか

Bプレミアの3つの基準をよく見ると、どれもバスケットボールではなくブランドを測っている。

  • 1試合平均4,000人はロイヤルティの試験である。人がシーズン30試合も通い続けるのは、そのクラブが自分にとって意味を持つときだけだ。
  • 売上12億円は需要の試験である。チケット、スポンサー、ユニフォーム、放映権収入は、すべて人々の関心の強さに連動して増減する。
  • 5,000席のアリーナは信頼の試験である。自治体や企業がアリーナを建てたり支えたりするのは、何十年も満員にしてくれると信じられるクラブに対してだけだ。

お金はすでにブランドを追っている。2024-25シーズンの王者、宇都宮ブレックスは同シーズン、売上が初めて30億円を超えた。前年比32%増で、チケット収入だけで10億円を上回る。島田チェアマンは、リーグ全体の規模はまだサッカーのJリーグの半分ほどだと語っている。その差こそが、取りにいくべき果実である。

裏を返せば容赦がない。B2の熊本ヴォルターズは、十分な規模のアリーナを期限までに確保できず、初年度のBプレミア参入を断念した。現在は早くても2030年の参入を目指している。

参入はゴールではない。Bプレミアの全クラブは、ライセンスを毎年審査される。売上基準を下回ったクラブは当面その地位を保てるが、最大5,000万円の制裁金を科されることがある。3年連続で下回ればライセンスは更新されず、B.LEAGUE ONE(Bワン)へ降格する。平均入場者数4,000人の基準にも同じ「3アウト」のルールがある。降格は消えたわけではない。スコアボードから経営指標へと場所を移したのである。

新ルールは、2つの古い言い訳も封じる。成績による降格がない以上、観客減を不振のシーズンのせいにはできない。サラリーキャップがある以上、弱いアイデンティティを資金力で補うこともできない。残るのは、人々に選ばれるクラブになるという地道な仕事だけだ。

観客層も、日本の他の主要リーグとは異なる。Bリーグのファンは20代から40代が中心で、他のプロスポーツに比べて若い女性の比率が高い。彼らが求めるのはスコアだけではなく、試合日まるごとの体験だ。それはエンターテインメント・ブランドのように考えるクラブに報いる。そして、このシリーズで論じていくとおり、ラグジュアリーメゾンのように考えるクラブにも報いる。

強いクラブブランドとは何か

先頭を走るクラブは、試合だけでなく、一日の過ごし方、居場所、習慣を売っている。4つの例がその幅を示している。

千葉ジェッツ:場を持つ。 ホームの力をこれほど示すクラブはない。ジェッツが自前のアリーナに移ると、観客はほぼ一夜にして倍以上に増え、その水準を保った。アリーナはジェッツをリーグ最大のビジネスにも押し上げた。2024-25シーズン、Bリーグのクラブとして初めて売上50億円を突破したのである。

アルバルク東京:習慣を持つ。 TOYOTA ARENA TOKYOでの2シーズン目を迎えたアルバルクは、豊洲・有明・お台場周辺で働く会社員に狙いを定めている。訴えはシンプルだ。仕事帰りに立ち寄り、ビールを片手に観戦してほしい。開幕週は近隣の2つの商業施設と組み、選手の来場、5カ所を巡るスタンプラリー、パブリックビューイングを展開した。アルバルクは昨シーズン、レギュラーシーズンのホームゲームでクラブ史上最多の25万7,803人を動員した。約26%増である。クラブは、次の仕事は初来場者を常連に変えることだと話す。

佐賀バルーナーズ:地域を持つ。 佐賀は日本で最も人口の少ない県の一つだ。それでもクラブは昨シーズン、1試合平均5,753人を集め、トップリーグ26クラブ中5位だった。B3として地元の小さな体育館で戦っていた2019-20シーズンの平均は約400人である。新アリーナは追い風になった。だが、アリーナが満員になったのは、クラブが県のチームになったからにほかならない。

琉球ゴールデンキングス:アイデンティティを持つ。 キングスは沖縄を背負って戦う。東京での開幕戦には、沖縄から、そして全国から大勢のファンが駆けつけ、アウェーの試合を応援した。旅をするファンを持つことは、どこでも売れるブランドを持つことである。

共通点はこうだ。どのクラブも、勝利が客を呼ぶのを待たなかった。先に、来る理由を与えた。ラグジュアリーの言葉で言えば、売る前に欲望を築いたのである。

リスク

ブランド競争には勝者がいる。そして犠牲者も出るだろう。4つのリスクが目を引く。

  • 成長のコストが上がっている。 2024-25シーズン、B1・B2の売上は約99億円増え、約651億円に達した。同じシーズン、赤字クラブの数は5から15へと3倍になった。アリーナ、人員、試合演出には、回収する前にまずお金がかかる。
  • 二極化するリーグ。 Bプレミアのクラブは大きなアリーナと大口スポンサーを持つ。B.LEAGUE ONEの25クラブは、勝って上がることはできず、経営を伸ばすことでしか上がれない。アリーナ計画のない都市にとって、天井はもう見えている。
  • 日本人選手の出場時間が減る。 外国籍選手3人の同時出場は、プレーの水準を引き上げるはずだ。一方で、出場時間が削られると懸念する日本人選手もいる。ファンは地元のヒーローに愛着を持つことが多い。外国籍選手に頼りすぎるクラブは、試合に勝っても心を失うかもしれない。
  • コピー&ペーストの試合演出。 光の演出、DJ、マスコットは今や標準装備だ。どのクラブも同じ手法を使えば、どこも目立たない。ブランドは、そのクラブにしか言えないことを語らなければならない。自分の街、歴史、人々について。

選手と育成パイプラインにとっての意味

ブランドの発想はクラブで止まらない。今や選手と、選手を育てる仕組みにまで及んでいる。

最もわかりやすいのがドラフトだ。3巡目以降で指名された大学生選手は、年俸約1,000万円の2年契約を結ぶ。1月に多くのクラブが候補者の大半を見送ったのは、その金額が見合うのはよく知っている選手に限られるからだ。2027年1月の次回ドラフトに向けて、クラブはより多くの映像、より多くのデータ、より多くの裏付けを求めるだろう。

それはプロの下にいるすべての選手にとってハードルを上げる。見つけにくい高校生や大学生は、見送られやすい。クラブが見て測れる実績を持つ選手には、本当のチャンスがある。

クラブが若手選手に求めるものも変わる。地元出身の生え抜き選手は、ロースターの1枠以上の存在だ。クラブが売れるストーリーであり、ポスターの顔であり、地元の家族がチケットを買う理由になる。観客が存続を決めるリーグでは、地元の体育館からホームアリーナへとつながるパイプラインもブランドの一部なのである。

結論

10シーズンで、Bリーグは観客を約2.5倍に増やした。初年度の約224万人から、2025-26シーズンには過去最多の548万人に達した。それは主に昔ながらのやり方、つまり昇格争いと残留争いによって成し遂げられた。

それはもうない。これからのクラブの未来は、一つの問いにかかっている。十分な数の人が関心を持っているか。勝利は今も助けになる。だが、Bプレミア時代に栄えるのは、最初のティップオフの前に足を運ぶ理由を与え、負けた後にもまた来たいと思わせるクラブである。

新しいBリーグでは、スコアボードが試合日の勝者を決める。ブランドは、10年後もプレーを続けている者を決める。

次回予告

ブランドが存続の免許になった以上、クラブにはサラリーキャップと同じ規律でそれを管理する方法が必要だ。ラグジュアリーにはその方法がある。第2回では、ブランド・エクイティを預け入れと引き出しのある貸借対照表の勘定として捉え、日々のクラブの判断のうちどれが知らぬ間にそれを取り崩しているのかを考える。その答えは、多くのクラブが今シーズンやりたくなるであろうことから始まる。チケットの無料配布である。

出典

「視点」は署名入りの論考です。見解は筆者個人のものです。