イオントップバリュ、ベジテックと合弁会社を設立 埼玉に新工場、サプライチェーンの川上領域へ初進出
イオン最大手の小売グループでPB(プライベートブランド)事業を担うイオントップバリュが、青果加工のベジテックと合弁会社を設立し、サプライチェーンの川上領域に初めて踏み込む。埼玉県に新設するカット野菜工場は、農業従事者の減少が進むなかでの鮮度価値向上と安定供給の確保を狙う。

イオン株式会社とそのPB(プライベートブランド)事業会社であるイオントップバリュ株式会社は10月13日、イオントップバリュが青果物加工大手の株式会社ベジテックと合弁会社「ベジテック・トップバリュ関東株式会社」を設立したと発表した。カットサラダやカット野菜を製造する新工場を建設する計画で、PB事業を手がけるイオントップバリュにとってはサプライチェーンの川上領域に踏み込む初めての取り組みとなる。
両社の発表によると、新会社は2026年5月15日設立で、資本金1億円に資本準備金1億円を加えた体制。出資比率はベジテックが51%、イオントップバリュが49%で、役員は両社2名ずつの計4名としている。1969年創業で神奈川県川崎市に本社を置くベジテックは、従業員約430名、資本金4億3,750万円で青果物の加工・仲卸を手がけており、イオントップバリュはこの生産・加工・工場運営のノウハウに、自社の商品企画力とグループ各社への販売力を組み合わせる。
新工場は埼玉県比企郡ときがわ町(関越自動車道東松山インターチェンジから車で約20分)に、敷地面積約38,000平方メートルの規模で建設し、従業員は約400名を計画しているという。カットサラダ・カット野菜の製造のほか一次加工や原材料貯蔵も担い、まずは関東のグループ店舗への供給を見込むが、将来的な供給エリアの拡大も視野に入れているとしている。
農業従事者減少への対応
イオンは今回の取り組みの背景として、世界の小売業でコスト低減や品質管理の高度化を狙ったサプライチェーンの内製化が進む一方、日本では一次産業従事者の減少や気候変動により農産物の安定調達が課題になっていると説明する。ベジテックのカット・加工技術とイオントップバリュの企画・供給力を掛け合わせることで、商品の消費期限延長と鮮度価値の向上、そして安定供給の両立を目指すという。
イオントップバリュにとって、これは単発の新商品投入ではなく構造的な布石といえる。国内最大の小売グループのPB事業はこれまで主に企画・販売を担い、栽培やカット・加工は仕入れ先に委ねてきた。工場そのものに出資することで、関東の店頭に並ぶカットサラダがどこから来るのか、そしてどれだけ鮮度を保てるのかに、イオントップバリュ自らが直接関与する体制へと踏み出す。