ビームス、「GATE STORE」12号店を金刀比羅宮参道に開設 浅草寺・箱根湯本駅にも期間限定店
ビームスは、金刀比羅宮の785段ある参道に「GATE STORE」12号店を出店するのに合わせ、浅草寺境内と箱根湯本駅構内にも約1カ月半のうちに相次いで期間限定店を展開する。都心の旗艦店ではなく、参拝客・観光客が集中する参道や駅構内にこそ、次の売場の伸びしろがあるという読みがうかがえる。

ビームスは9月17日付の発表で、地域の職人や事業者と組む出店フォーマット「GATE STORE」の常設店12号店を、香川県琴平町の金刀比羅宮参道に10月31日オープンすると明らかにした。これは同社が約1カ月半のうちに相次いで展開するGATE STORE関連3施策の一つで、東京・浅草の浅草寺境内では5カ月間の期間限定店を9月26日に開業済み、箱根湯本駅では10月9日から3カ月間の期間限定店を開く。
琴平店は、江戸時代から「こんぴら参り」として親しまれてきた本宮までの785段のうち46段目、香川県仲多度郡琴平町川西981番地に位置し、香川県内で長年ビームスのフランチャイズ店舗を運営してきた株式会社デコが運営を担うという。古き良き家屋の趣を残した店舗には、地域の伝統工芸品やその土地に伝わるストーリーが込められた商品を揃えるほか、参拝客・観光客向けに竹杖を無料でレンタルするサービスも用意する。琴平町内で不要となった竹をアップサイクルして作り、持ち手部分には国の伝統的工芸品に指定される香川漆器の漆を施すという。
浅草では、浅草寺本堂の西側に新設された芝生広場に、コンテナ4棟を連結した約10坪(約33平方メートル)の特設店舗を9月26日から2027年2月28日まで展開する。雷門など浅草の名所をモチーフにした限定商品に加え、日本各地の銘品や食品も取り揃え、土産需要に応えるとしている。
箱根湯本駅の改札外コンコースには、5.8坪の「ビームス ジャパン 箱根 ポップアップストア」を10月9日から2027年1月11日までの3カ月間、小田急箱根グループと共同で出店する。同グループは箱根登山鉄道やケーブルカー、ロープウェイ、芦ノ湖の遊覧船を運営し、地域一帯の来訪者の動線を担っている。売場では寄木細工など箱根の伝統工芸品を扱うという。
3施策を並べてみると、それぞれ単独の出店判断というより、「どこに売場を置けば人の流れを取り込めるか」という一つの賭けとして読める。神社の参道、寺院の境内、駅のコンコースはいずれも、景気動向に左右されにくい参拝客・観光客の通行が見込める立地であり、コンテナ造作や駅ナカの小型区画、既存の参道沿いの店舗を借りる形の出店は、都心に路面旗艦店を構えるよりはるかに小さな投資で済む。琴平では地元のフランチャイズ運営会社デコ、箱根湯本では沿線一帯を運営する小田急箱根グループと組むことで、ビームスは自ら集客をゼロから作るのではなく、相手側がすでに抱える来訪者の動線に入り込む形をとっている。琴平店が「1号店」ではなく「12号店」である点も見逃せない。GATE STOREはすでに実験段階を終え、参拝需要やインバウンドが集中する拠点で、都市部の店舗展開と並ぶ速度で広がる常設プログラムになりつつあることがうかがえる。