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シャネル銀座のギャラリーが今秋、英ポートレート写真展を無料公開

シャネル・ネクサス・ホールが今秋、無料で公開するのは英ナショナル・ポートレート・ギャラリー所蔵の肖像写真約60点。セシル・ビートンからデヴィッド・ベイリーまでを揃えるこの展示は、売上を伴わない文化活動もまたメゾンにとってのプロモーションであることを物語る。

銀座のギャラリー空間を描いたイラスト。淡い壁に並ぶ肖像画サイズの額縁と、後ろ姿の来場者一人を、落ち着いたモノトーン調の編集画風で表現。
イラスト:floortok.com

シャネルが銀座で運営するギャラリー「シャネル・ネクサス・ホール」は、英ロンドンのナショナル・ポートレート・ギャラリー所蔵作品による写真展「Icons and Image Makers ナショナル ポートレート ギャラリー展」を10月2日から11月29日まで開催すると、同ホールのウェブサイトで発表した。入場は無料で、会期中は予約不要、毎日開館する。

展示されるのは、1950年代から現在に至る英国の映画・音楽・ファッション界を撮影した、同コレクションの肖像写真約60点だという。出展作家にはセシル・ビートン、テリー・オニール、デヴィッド・ベイリーらが名を連ね、告知ではルイス・モーリーが1963年に撮影した女優シャーロット・ランプリングの肖像を先行して紹介している。展示は被写体と写真家が向き合う瞬間に焦点を当て、その協働が公のイメージをどう形づくってきたかをたどる構成で、会場後半ではより素の表情をとらえたカットへと展開し、作り込まれたイメージがふとほどける瞬間を見せるという。

物販の場を伴わない無料のギャラリーは、シャネルにとって純粋なプロモーション施策だ。ここで何かが売れるわけではないが、メゾンは文化的な結びつきの実績を積み重ねていくことになる。同ホールは無料コンサートシリーズ「CHANEL Pygmalion Days」も同じ無料方式で展開しており(同ホールの発表による)、自社アーカイブではなく外部機関の所蔵作品を招くことは、自社主催の回顧展よりも高い説得力を持つ。

銀座は国内でもっともメゾンの旗艦店が集中するエリアであり、その中に無料の展示を据えることは、既存顧客にとってシーズンごとのコレクション発表以外にも街を歩く理由を増やすことになる。メゾンの文化的な存在感は、何を売ったかだけでなく、何を無償で提供したかによっても測られるということだ。