大丸福岡天神店、11年ぶりに地下の食品フロアを全面改装
大丸福岡天神店が11年ぶりとなる地下食品フロアの大規模改装を終えた。売場の約7割を刷新し、九州発の菓子・ベーカリーブランドを中心に据えた構成は、コンビニやアウトレットに客足を奪われがちな地方旗艦店にとって、他では買えない食品フロアこそが最大の防御であるという読みを映す。

大丸松坂屋百貨店は8月18日、大丸福岡天神店の地下食品フロアについて、11年ぶりとなる大規模改装を終えたと発表した。本館地下の売場の約7割を刷新し、「THE HUB of KYUSHU」と称するコンセプトを掲げる。
改装は5月から8月にかけて実施され、新規テナントは20店舗を超えるという。改装後のフロアには菓子ブランドが50以上、ベーカリーブランドが5つ入り、いずれも福岡市内の百貨店では最大級の規模になると同社は説明している。新規開業には初出店が相次いだ。チョコレートショップとRECコーヒーの「Saison des Récoltes」は8月上旬に百貨店初出店を果たし、月末にはパンデロが続いた。村上開新堂は九州初、鎌倉紅谷は大丸初となる常設コーナーを、フロアが一般公開された8月28日にそれぞれ開いた。ゴディバのベーカリーライン「ゴディパン」は、フロア公開から数日後の8月31日に九州初の常設店を開く予定だ。
大丸はフロアの刷新に合わせて8月26日から30日まで5日間のアニバーサリーフェアを開催し、グランドオープンは8月28日だった。九州産いちごを使った商品は通年で50品目以上を揃えるという。
地方の旗艦店にとって、11年という空白期間そのものが改装の内容以上に多くを物語る。天神本店の地下売場は、コンビニの食品品質が向上し、訪日客の増加が百貨店の1階・地下階に求める役割を変えてきたこの10年、大きく手つかずのままだった。全国チェーンではなく九州限定の顔ぶれでデパ地下を組み直すのは、地方旗艦店だからこそ打てる「商品」戦略でもある。東京の百貨店では同じ店に出会えないほど、天神へ足を運ぶ理由は強くなる。