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全国百貨店、8月は8カ月連続増収 宝飾・時計12.8%増が牽引

全国百貨店の8月売上高は前年比2.6%増と8カ月連続のプラスとなった。宝飾・時計は13カ月連続の増加で高額品需要を牽引した一方、入店客数は減少し、大阪は6カ月ぶりのマイナスに転じた。

百貨店の宝飾・時計売り場を描いたイラスト、温かい照明に照らされたショーケース
イラスト:floortok.com

日本百貨店協会(JDSA)によると、2026年8月の全国百貨店売上高は店舗数調整後で前年比2.6%増の4221億円となり、8カ月連続のプラスとなった。なかでも美術・宝飾・貴金属は12.8%増と13カ月連続の増加を記録し、高額品需要の強さをあらためて示した。

増収は入店客数が4.0%減少するなかで実現した。同協会は、8月13〜14日に千葉県で発生した豪雨や、27日の富山・石川、29〜30日の福井を襲った記録的大雨により、一部店舗で臨時休業や時短営業があったと説明する。客数が減る一方で、高額品の販売が売上全体を押し上げた形だ。

地域別では都市部が地方を上回った。10都市は前年比3.3%増と8カ月連続のプラス、10都市以外の7地区は0.1%増にとどまった。個別発表された東京地区は5.7%増で同じく8カ月連続のプラスとなり、宝飾・時計は18.0%増の二桁増。9月に入ってからも好調が続き、9月16日時点の月初来実績は前年比12.2%増だという。対照的に大阪は、前年の大阪・関西万博関連需要の反動減や一部店舗の売場面積縮小が響き、売上高766億円、1.4%減と6カ月ぶりのマイナスに転じた。

インバウンド消費(免税売上高)は461億円、4.6%増と6カ月連続のプラスで、全体に占める比率は10.9%。一方で購買客数は44.7万人、9.5%減と2カ月ぶりにマイナスへ転じた。国・地域別では中国が売上高で約17%減、購買客数で約37%減と落ち込み、7月のプラスから一転してマイナスとなった。台湾、香港、韓国からの需要は引き続き増加基調で、同協会は円安を背景に高額品需要が国籍を問わず堅調に推移したとしている。

商品別では衣料品全体が0.8%増にとどまるなか、紳士服・洋品は0.8%減(2カ月ぶりのマイナス)、婦人服・洋品は0.1%減(8カ月ぶりのマイナス)と、主力2分野がそろって前年割れとなった一方、子供服・洋品は4.2%増、その他衣料品は15.0%増と底堅かった。化粧品は3.4%増で5カ月連続のプラス。食料品は2.1%増となり、お盆の帰省土産需要を背景に菓子(4.3%増)や惣菜(1.8%増)が牽引したが、生鮮食品は29カ月連続の減少が続いている。

今回の内訳が示すのは、見出しの伸び率以上に商品構成の分化だ。宝飾・時計をはじめとする高額品は二桁の伸びを重ねる一方、紳士服・婦人服という主力の衣料品が同時にマイナスへ転じたのは今のサイクルで初めてとなる。売場運営の観点では、衣料品の改装よりも宝飾・時計売場の強化を優先する判断が理にかなう局面だろう。また中国人購買客の急変動は、インバウンド売上の中で最も注視すべき変数になりつつある。国籍構成がこれだけ偏れば、その動き一つで全体の数字が左右されかねないからだ。

2026年8月 百貨店売上高(商品別)

前年同月比(%)

+12.8%宝飾・時計+3.4%化粧品+0.8%衣料品−0.8%紳士服−0.1%婦人服
日本百貨店協会 · 作図:floortok