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エスティ ローダー、日本でプレステージ化粧品の市場シェア拡大と発表 利益は本格的な黒字転換

エスティ ローダー カンパニーズの2027年6月期第1四半期は、中国を中心とした成長とともに、利益が本格的な黒字に転じた四半期となった。そのなかで日本についても具体的な言及があり、メイクアップとフレグランスを中心にプレステージ化粧品の金額シェアを拡大し、3ブランドで店頭売上高が二桁成長したとしている。

夕方の日本の百貨店の化粧品カウンターを描いたイラスト。温かみのあるカウンター照明の下に、数ブランドのフレグランスとメイクアップの商品が整然と並んでいる。
イラスト:floortok.com

エスティ ローダー カンパニーズは11月2日、2027年6月期第1四半期(2026年9月30日までの3カ月間)の決算を発表した。売上高は実績ベースで前年同期比7%増の37億1,500万ドル、オーガニックベース(為替変動や買収・売却・ブランド終了といった事業ポートフォリオの変更の影響を除く)では6%増だった。営業利益は前年同期の1億6,900万ドルから4億800万ドルに回復し、調整後営業利益率は7.3%から12.1%に上昇した。

日本に関する発表資料の言及は、売上高ではなく市場シェアに関するものだった。同社は、メイクアップとフレグランスを中心に日本でプレステージ化粧品の金額シェアを拡大したとし、その背景として「ル・ラボ」「M・A・C」「トム フォード」の店頭売上高が二桁成長したことを挙げている。今回の決算でビューティー分野の成長が取り上げられた市場は、日本を含め中国本土・韓国・米国・西欧の5市場だった。日本単独の売上高は開示されておらず、日本は中国本土と別立ての「アジア・パシフィック」地域に含まれている。

地域別では、アジア・パシフィックの売上高が9%増(オーガニックベース10%増)の9億5,200万ドル、中国本土が15%増(オーガニックベース9%増)の6億1,400万ドルとなり、いずれもアメリカス(5%増の12億2,700万ドル)や、同社が「EUKEM」と呼ぶ地域(発表資料は略称の内訳を示していないが、中東情勢による事業への影響という記述から欧州・中東を含む地域とみられる。2%増の9億2,300万ドル)を上回った。EUKEMの営業利益率は0.7%から4.8%に改善し、同社は一部市場での混乱の緩和が要因としている。

ステファン・ド・ラ・ファベリー社長兼最高経営責任者(CEO)は「成長は加速し、収益性も大きく強化されている」と述べ、同社が進める構造改革「Beauty Reimagined」の効果を挙げたうえで、「われわれは成長の回復という段階を超えた」とも述べた。1株当たり希薄化後利益(実績ベース)は前年同期の0.13ドルから0.64ドルに伸びた(調整後は0.32ドルから0.72ドル)。フリーキャッシュフローは依然マイナスだが、前年同期の4億3,600万ドルの赤字から2億3,500万ドルの赤字に改善した。同社は通期見通しを上方修正し、オーガニック増収率を3〜5%から4.0〜5.5%に、調整後営業利益率を12.7〜13.5%から12.9〜13.7%に見直した。今回の実績ベースとオーガニックベースの差はほぼ為替要因で、インドのスキンケアブランド「フォレスト エッセンシャルズ」の買収は四半期終了後の10月に完了したため、今回の数値には影響していないという。

floortokの読み: 全社ベースでは、今回の為替影響はおおむね中立だった。オーガニックの増収率6%に対し実績ベースは7%で、同社自身の開示によれば為替はネットでおよそ1ポイントの押し上げ要因になったとみられる。ただし地域ごとの影響は一様ではない。中国本土では実績ベースの増収率15%がオーガニックの9%を6ポイント上回った一方、アジア・パシフィックでは実績ベースの9%増がオーガニックの10%増を1ポイント下回った。これは、米連邦準備制度のデータによるとドル円相場が2025年9月の月中平均147.86円から2026年9月には156.42円まで下落し、この間に円が対ドルで約6%下落した(floortok試算)ことと概ね整合的だ。日本の「シェア拡大」はドル建ての売上高ではなく現地市場でのシェアで測った指標であり、この為替換算の影響を直接受けるものではないが、日本を含むアジア・パシフィックの数値自体は為替の影響も映している点には留意が必要だ。

floortokとして注目すべきは、具体的な数値よりもブランド名だ。「ル・ラボ」「M・A・C」「トム フォード」は、同社が現時点で日本の店頭で市場シェアを獲得しているとするブランドである。日本は依然として地域別売上高の表の中で単独の行を持たず、中国本土を除く一方でグローバルのトラベルリテールを含む「アジア・パシフィック」地域に含まれている。そのため、アジア・パシフィックの9%増のうちどれだけが日本自体の伸びで、どれだけが韓国やオーストラリア、トラベルリテールの需要によるものかを切り分けることはできない。

2027年6月期第1四半期 地域別売上高成長率(実績ベース、前年同期比)

前年同期比(%、実績ベース)

+5%アメリカス+2%EUKEM+9%アジア太平洋+15%中国本土
同社 2027年6月期第1四半期決算 · 作図:floortok