ファーストリテイリング、2026年8月期は増収増益で最高益 ユニクロ国内は売上高1兆円超、海外は26%増収
ファーストリテイリングは2026年8月期を増収増益の最高益で終えた。ユニクロの国内事業は売上収益が1兆円を超え、海外事業はその4倍以上の速さで成長した。今月本格化する国内小売の決算シーズンを占う、最初のベンチマークとなる。

ファーストリテイリングは10月8日発表の2026年8月期決算で、売上収益が前期比16.6%増の3兆9,633億円、事業利益が同30.4%増の7,184億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同25.3%増の5,425億円になったと発表した。同社は5期連続の最高益達成と説明している。
このうち、国内アパレル小売最大手であるユニクロの国内事業は、売上収益が前期比5.7%増の1兆848億円、事業利益が同8.1%増の1,960億円だった。既存店売上高は年間で5.1%増加した一方、売上総利益率は0.1ポイント低下したという。販管費比率が0.4ポイント改善して32.6%となったことで、事業利益の伸びが売上収益の伸びを上回った。
海外事業の伸びはさらに大きい。ユニクロ海外事業は売上収益が26.2%増の2兆4,111億円、事業利益が44.1%増の4,398億円となり、全地域で2桁の増収増益となった。地域別では大中華圏が売上収益11.3%増の7,240億円(中国本土のみ、現地通貨ベースで売上は約3%増、利益は約18%増)、韓国・東南アジア・インド・オーストラリアが30.7%増の8,094億円、北米が34.6%増の3,649億円、欧州が38.7%増の5,126億円。北米と欧州の売上収益の合計が、大中華圏の売上収益を初めて上回ったという。
GUとグローバルブランド
第2のアパレルチェーンであるGUは、売上収益が1.8%増の3,367億円、事業利益が11.0%増の315億円だった。セオリーやPLST、コントワー・デ・コトニエ、プランセス タム・タムを含むグローバルブランド事業は、売上収益が2.3%減の1,285億円となる一方、事業利益は6.8%増の28億円。セオリーの売上減少(現地通貨ベースの利益はほぼ横ばい)や、コントワー・デ・コトニエ/プランセス タム・タムの店舗数が98店から77店に減ったことが響いた一方、PLSTは増収増益だったとしている。
配当と2027年8月期計画
年間配当は前期比350円増の850円(既払いの中間配当320円、予定している期末配当530円)とする計画。2027年8月期は売上収益4兆4,500億円(12.3%増)、事業利益8,300億円(15.5%増)、親会社株主帰属当期純利益5,600億円(3.2%増)を見込み、配当は50円増の900円とする計画だ。セグメント別には、ユニクロ国内事業は増収・事業利益は横ばい圏で粗利益率はやや低下、ユニクロ海外事業は増収増益とも2桁成長、GUとグローバルブランドはいずれも増収増益を見込む。2027年8月末時点のグループ店舗数は、フランチャイズを含むユニクロ国内782店を含め、計3,545店を計画しているという。
高島屋が10月15日に上期決算を発表するのを皮切りに、J.フロントリテイリングやH2Oリテイリングも控える国内上場小売の決算シーズンが本格化するなか、ファーストリテイリングの数字は早期のベンチマークとなる。見出しの伸び率以上に注目すべきは内訳だ。ユニクロの国内事業は依然として伸びているが、出店拡大ではなく既存店の中位1桁の伸びによるもので、利益の伸びが売上を上回ったのは値付け力ではなくコスト規律によるところが大きい。海外事業はまったく別の成長構造にある。ユニクロにとって依然中国より小さな市場である欧州と北米が最も速いペースで伸び、両地域の合計売上収益が大中華圏を上回った。ファーストリテイリングの国内投資や増配を支える成長の多くが、ますます国外に偏ってきていることを映す結果だ。
焦点は、2027年8月期に見込む横ばい圏の事業利益とやや薄い粗利益率が、コスト圧力や暖冬などで既存店の勢いが鈍った場合でも維持できるかどうかだ。今期の事業利益の伸びの多くが、すでに売上そのものよりも費用削減によってもたらされている以上、なおさらである。
前期比(%)