ゴールドウイン、富山マラソンTシャツにデジタルプロダクトパスポートを導入
ゴールドウインは、富山マラソン2026の参加者Tシャツに、スマートフォンで素材や炭素排出量、修理に関する情報を読み取れるQRコード付きデジタルプロダクトパスポートを導入した。NTTドコモビジネスとCYKLUSが主導する実証事業の一環で、欧州がアパレルに求め始めているような製品トレーサビリティ技術を国内で小さく試す動きだ。

富山県に本社を置き、ザ・ノース・フェイスの日本におけるライセンスも保有するゴールドウイン株式会社は、同社の創業地である富山県で11月1日に開催される「富山マラソン2026」の参加者Tシャツに、スマートフォンで読み取れるデジタルプロダクトパスポート(DPP)を導入したと10月15日付で発表した。同大会のTシャツへのDPP導入は今回が初めてだという。
Tシャツのタグに付けたQRコードをスマートフォンで読み取ると、製品仕様や素材構成、CO2排出量などの環境負荷データに加え、お手入れ方法、修理窓口の連絡先、再利用・リサイクルに関する情報が表示される仕組みだという。同社は、レース当日限りで終わらせず、着用者がその後も長く着続けられるようにすることが目的だと説明している。
ゴールドウインは、アパレル分野におけるデジタルプロダクトパスポート活用のための共同実証事業に参加ブランドの一社として加わっており、同実証はCYKLUS株式会社とNTTドコモビジネス株式会社が主導しているという。富山マラソンのTシャツは、同社単独の取り組みというより、業界横断の実証実験の一環という位置づけになる。
Tシャツ自体は再生ポリエステル100%で、肩部分には紫外線カット・遮熱素材、前身から背面にかけては通気性のドットメッシュ素材を組み合わせた。デザインは富山県小矢部市にあるゴールドウイン テックラボで取得したヒートマップデータに基づいており、グラフィックには道路標識と同じ再帰反射プリントを採用し、夜間の視認性を高めているという。
ランニングシャツのQRコードは小さな工夫に見えるが、その先にはより大きな変化がある。欧州連合(EU)は、素材や炭素排出量、修理、廃棄時の情報といった製品単位のデータを、域内で販売する衣料品に求める方向に進んでいる。通信事業者が既に関わる実証の中で、リスクの小さい製品を使って仕組みを試しておくことは、大きな市場で対応を迫られてから作り直すよりも安く済む練習になる。