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阪急阪神百貨店、10月の売上高13.2%増 阪神梅田本店はタイガース優勝セールで40.5%増

H2Oリテイリング傘下の阪急阪神百貨店は10月、売上高が13.2%増となった。ただしその内実は大きく異なる。阪急本店はラグジュアリーと免税需要に支えられた4カ月連続の月間売上高最高記録、阪神梅田本店は2年連続リーグ優勝を記念した1週間限定セールによる40.5%増と、牽引役が全く違う。

2つの百貨店のファサードを並べて描いたイラスト。片方は落ち着いたラグジュアリーフロアの輝き、もう片方は野球優勝セールを祝う黄色と黒の装飾に彩られ、シルエットの買い物客がそれぞれに吸い込まれていく。
イラスト:floortok.com

H2Oリテイリングは11月2日付の月次売上速報で、傘下の阪急阪神百貨店の10月の売上高(全店計)が前年同月比13.2%増だったと発表した。内訳は阪急本店が12.3%増、阪神梅田本店が40.5%増、支店計が5.9%増。

国内顧客の売上高は前年に対して約1割増、免税売上高は約2割半増と大きく伸長し、都心の各店がいずれも前年を上回った。免税売上高は同月ベースで3カ月連続の過去最高を更新したという。郊外の支店合計も前年実績を上回った。

阪神梅田本店の急伸は、阪神タイガースの2年連続リーグ優勝を記念した1週間限定の「優勝記念セール」(神戸阪急では3日間)によるもの。食品や服飾雑貨を中心に多くの来店客を集め、前年の同セール実績を上回ったほか、2022年の建て替えグランドオープン以降、週間売上高として過去最高を更新したという。

一方の阪急本店は、国内顧客・免税売上高ともに3カ月連続で同月の過去最高を更新し、店舗合計としても4カ月連続の月間最高売上高となるなど、より安定した伸びを見せた。5・6階の「HANKYU LUXURY」は前年比約3割増と、引き続き全館の売上を牽引している。気温が不安定な10月だったが秋物衣料は好調で、セーターやコート、ジャケットが動いたほか、婦人靴では冬を見据えた素材感のあるスニーカーやブーツが人気だった。2週間開催した英国フェアはテーマや出店ブランドを会期の途中で大幅に入れ替え、同催事として過去最高の売上高を記録したという。

中国からのツーリストの売上高は前年を下回り厳しい状況が続いたが、中国を含む海外VIP顧客は前年を上回り好調だったという。この傾向は日本政府観光局(JNTO)の全国統計とも符合する。直近9月の訪日外客数は全体で前年同月比5.0%減にとどまった一方、中国からの訪日客は44.5%減と大きく落ち込んでおり、H2Oが示す店舗レベルの傾向と概ね一致する。

全店計13.2%増という見出しの背後にある本当の論点は、2つの基幹店の対照的な中身にある。阪急本店の成長はラグジュアリーと免税需要に支えられた再現性のある記録更新である一方、阪神梅田本店の急伸は来年10月には繰り返されないスポーツの結果によるものだ。タイガースの優勝効果が一巡した後、10月の伸びがどこまで持続するかが11月以降の注目点となる。

H2Oリテイリング 2026年10月 百貨店売上高(店舗別)

前年同月比(%)

+40.5%阪神梅田本店+12.3%阪急本店+13.2%全店計+5.9%支店計
エイチ・ツー・オー リテイリング 2026年10月度売上速報 · 作図:floortok