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分析

大丸松坂屋、名古屋・栄に新たなラグジュアリー商業施設「HAERA」

栄の新ビル6層に65店、うち40店が東海エリア初。問われるのは店舗数ではなく、誰に向けた施設なのかだ。

J.フロント リテイリングは2026年6月11日、名古屋市中区の複合ビル「ザ・ランドマーク名古屋栄」の地下2階から4階に、新たな商業施設「HAERA(ハエラ)」を開業した。同社によれば、面積は約18,776平方メートル、65店を集める。運営はパルコ、大丸松坂屋、J.フロント都市開発と共同で手がける。

テナント表ではなく、初出店の一覧

高層商業ビルを積層するフロアの断面として描いた抽象イラスト。一本の金色の線が貫く。
イラスト:floortok.com

顔ぶれそのものが戦略だ。同社によれば、65店のうち40店が東海エリア初出店、16店が新業態で、ラグジュアリーブランドの旗艦店を、同社が「ニュークラシック」と呼ぶファッションと並べて配する。飲食は4階と地下2階に置く。「地域初」の比率で測られる施設は、もう一つの住所ではなく、目的地として設計されている。

この施設は、同グループ自身の百貨店との間に微妙な関係を抱える。名古屋は松坂屋の本拠地であり、同じ街にラグジュアリー主導の別施設を構えることは、コンテンポラリーやメゾンの客が、百貨店の一フロアではなく独立した建物を求めている、という賭けでもある。二つの業態は互いを補完しうるが、同じ財布を奪い合うこともある。

40の地域初出店は、開業ではない。地域の上得意客が午後を過ごす場所を、引き直そうとする試みだ。

開業の人波が引いた後、何が残るかを見たい。地域初出店の連なりは、ひと季節はフロアを埋めるだろう。だが、メゾンの旗艦店と飲食の集客が、同じ客を毎月呼び戻せるかどうか——それが、HAERAが「習慣」になるのか、「開業」のままで終わるのかを分ける試金石だ。