阪急阪神百貨店、7月度は梅田本店の伸びが地方店の4倍近くに
H2Oリテイリングの7月度売上速報によると、阪急うめだ本店・阪神梅田本店はいずれも前年同月比17%を超える伸びとなった一方、その他の地方店は4.4%増にとどまり、旗艦店と地方店の差はこれで4カ月連続で大きく開いたままとなっている。

H2Oリテイリングは8月3日付で公表した阪急阪神百貨店の7月度月次売上速報で、既存店売上高が前年同月比12.8%増になったと発表した。同社はこの数字を速報値であり確定値ではないとしている。この見出しの数字は、梅田の二つの旗艦店とそれ以外の店舗との間で広がる格差を覆い隠している。
阪急うめだ本店は前年同月比17.2%増、阪神梅田本店は同17.9%増となった一方、その他の各店舗(地方店)の合計は4.4%増にとどまり、旗艦店の伸び率の4分の1にも届かなかった。
4カ月続く格差
この格差は今月に限った話ではない。同社が公表した4月以降のデータによると、阪急うめだ本店は今期に入ってから毎月2桁の増収を記録し、6月には17.8%増まで伸びた。一方、地方店の合計は一度も2桁増に届かず、5月の8.6%増をピークに6月には1%未満まで落ち込み、7月にようやく4.4%増まで持ち直した。阪神梅田本店は変動が大きく、4月・5月には26%を超える伸びを記録した後、6月には11.9%増まで鈍化し、7月には17.9%増に再加速したが、地方店の平均を上回る状態はどの月も続いている。
両旗艦店はいずれも大阪・梅田のターミナル地区に立地しており、難波・心斎橋と並ぶ大阪の二大インバウンド拠点の一つとして、地方店に比べて訪日客や高額消費層の来店を取り込みやすい立地にある。筆者の見立てでは、こうした立地の違いがこの格差の多くを説明していると考えられる。これほど一貫して差が広がっているという事実は、訪日客やすでに梅田に集まる高額消費層の需要がこの二つの旗艦店に集中している一方、そうした動線から外れた店舗は通常の地元客の来店だけで成長を図らざるを得ないことを示唆している。
グループ内でも状況は一様ではない。同じ発表資料によると、H2Oのスーパーマーケット事業では既存店売上高が7月に前年比1.3%減となっており、同一グループの中でも業態によって今夏の小売の回復度合いが大きく異なることを浮き彫りにしている。
この旗艦店と地方店の格差がさらに拡大するのか、それとも秋の商戦が本格化するにつれて地方店が追い上げるのか。その行方は、12.8%という見出しの数字以上に、日本の百貨店の回復がどこまで裾野を広げられているかを物語ることになりそうだ。
前年同月比(%)