阪急うめだ本店、2026年秋冬はモードフロアを「アーカイブ探し」の舞台に
阪急うめだ本店の2026年秋冬モードフロアは、単一の新作カプセルではなくメゾンのアーカイブを軸に据えた。HANKYU.MODE10周年に合わせた企画で、フロア自体の歴史が今シーズンの新作と同じ集客力を持つとの読みがうかがえる。

阪急うめだ本店が、2026年秋冬のモードフロアを「アーカイブ探し」の場として仕立て直した。単一の新作カプセルコレクションではなく、各メゾンがそれぞれの歴史を体現するアイテムを軸に据えた企画だと、同店が発表した。「TIME IS BEAUTIFUL」と銘打ったこの企画は8月26日から9月8日まで展開され、ドリス ヴァン ノッテン、マルニ、トム ブラウン、ジバンシィ、アライア、メゾン マルジェラ、ジル サンダー、ジュンヤ ワタナベ、アンダーカバーなど約20ブランドに加え、ヴィンテージ商品を扱うラヴィール・ルヴァンとマッシュルーム・ヴィンテージも参加する。店側が例示した価格帯は、マルニの1万9800円からジル サンダーのコートの107万2500円まで幅があり、気軽に立ち寄れる客層と本格的なコレクターの双方を同じフロアで狙う構成とみられる。
今回の企画は、同店のコンテンポラリー/モード専門フロア「HANKYU.MODE」開設10周年と重なるタイミングでの実施だと、同店は自社のSNSキャンペーンを通じて位置づけている。企画は9月19日(土)の「My Vintage」ドレスコードデーで締めくくられ、選出された参加者やキャンペーン応募者には1万円分のギフト券が贈られるという。
本企画と並行して、より長い会期で展開されているのがアクネ ストゥディオズのポップアップ「Stockholm 1996」だ。8月1日から9月30日まで開催され、同ブランドのデニムの歴史30周年を記念し、アーカイブアイテムと2026年秋冬コレクションの実物を並べて展示すると、同店は説明している。
百貨店各社がアーカイブや歴史性を打ち出すのは、テナント型商業施設との差別化が課題になっているためだ。ショッピングセンターのファッションフロアはブランドやカプセルコレクションの入れ替えが百貨店より速く、模倣されにくい差別化要素が必要になる。新作そのものではなく「メゾンの歴史」を陳列の軸に据えるのは、価格戦略というよりプロダクトとプレゼンテーションの勝負であり、日本のファッションリユース市場で長らく高まってきたヴィンテージやアーカイブピースへの関心とも合致する。今回、単発の商品企画ではなくフロア開設10周年という節目に合わせて実施された点はより示唆的だ。モードフロアというキュレーション型の業態そのものが定着し、単なる販売の場を超えてブランド資産として売り出す段階に入ったことをうかがわせる。