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星のや奈良、旧奈良監獄からラグジュアリーホテルへの変遷をたどるガイドツアーを開始

星のや奈良は9月16日から、宿泊者向けに無料の45分間ガイドツアーを開始する。旧奈良監獄という明治期の刑務所建築の来歴を、ホテル自らが正面から語る試みだ。

旧刑務所の放射状回廊を巡るガイドツアーの様子を描いたイラスト。現在はラグジュアリーホテル
イラスト:floortok.com

星野リゾートは9月16日から、星のや奈良の宿泊者向けに新しいガイドツアーを開始すると発表した。ツアー名は「刻(とき)のプロムナード」で、旧奈良監獄から現在のラグジュアリーホテルへと姿を変えた施設の来歴をたどる内容。所要時間は約45分、定員は1回10名、料金は無料で、毎日午前8時に出発する。予約はホテル公式サイトから前日午後9時までに受け付けるという。

同ホテルの建物は1908年(明治41年)に建てられた旧奈良監獄で、明治期に整備された「五大監獄」の一つ。少人数の看守で全体を見渡せるよう放射状に配置された「ハビランド・システム」と呼ばれる設計を採用している。2017年の閉鎖まで刑務所として機能し、同年に国の重要文化財に指定された。星野リゾートは建物の構造を大きく残したまま星のや奈良として改修している。

ツアーでは、ハビランド・システムの構造が今も確認できる中央看守所のほか、かつての講堂を改装し高さ9メートルの木造トラス天井をそのまま残したメインラウンジ、倉庫を改装して新たに窓を設けたダイニングラウンジ、独居房を活用した客室などを巡るという。

星野リゾートは建物の負の歴史を覆い隠すのではなく、ツアーの主題として正面から扱う姿勢を見せている。無料・少人数・宿泊者限定という設計は、この物語を直接予約の動機に変える一方で、国の重要文化財に一般見学者を呼び込む形にはしていない。文化財を活用したラグジュアリーホテルが増える中、他の運営会社にとっても参考になりそうな手法だ。