ケリング出資のICICLE之禾、サバト・デ・サルノをクリエイティブディレクターに起用
ケリングが少数株式を保有する上海発ブランド「ICICLE之禾」が、2023年からグッチを率いたサバト・デ・サルノをクリエイティブディレクターに起用した。これまでとは異なる、静かなラグジュアリー観を持つブランドを任される。

上海発のブランド「ICICLE之禾」は9月7日、サバト・デ・サルノ氏をクリエイティブディレクターに起用したと発表した。同氏によるブランド初のコレクションは2027-2028年秋冬シーズンで発表される予定。
ICICLEの公式サイトによると、親会社であるICCFグループには、戦略的パートナーシップを通じてケリングが少数株式を出資している。1997年に上海で創業した同ブランドは、現在パリと上海の2拠点を本社とし、世界で200店舗以上を展開する。
ICICLEの発表によると、デ・サルノ氏は2003年にプラダでキャリアをスタートし、ドルチェ&ガッバーナを経て2009年からヴァレンティノに在籍。メンズ・ウィメンズ両部門のファッションディレクターを務めた後、2023年にグッチのクリエイティブディレクターに就任した。ウィメンズのランウェイコレクションを担当してきたベネディクト・ラルー氏は、今後はデ・サルノ氏の下でデザインディレクターを続ける。
発表の中で、ICICLE創業者兼CEOの叶寿増氏は、グローバルな創造的才能と中国的な文化基盤を組み合わせることは重要な戦略的一歩だと述べた。デ・サルノ氏も、「人と自然の調和」を追求してきたブランドの理念が自身の創作哲学と深く重なると述べたという。
ケリングは自社メゾン以外への出資について、これまで大きく打ち出さず控えめに扱ってきた。派手なキャンペーンもランウェイでの露出もない少数株式が基本だった。そこに、グッチという極めて公的な経歴を持つデザイナーをクリエイティブトップに据えたことは、これまでとは異なる種類のシグナルといえる。「顔」を持たない静かなブランドイメージで通してきたICICLEに、知名度と明確な作家性を持つ名前を重ねる判断だからだ。デ・サルノ氏の下でICICLEがどう変わるのか、そしてケリングがその結果とどこまで自らを結びつけるのかは、2年後の初コレクションまで注視すべき点となる。