三越伊勢丹、第1四半期は増益率が売上高を大きく上回り過去最高 通期予想を上方修正、株式分割も発表
三越伊勢丹ホールディングスは第1四半期として過去最高の利益を計上し、通期予想を上方修正、株式2分割も発表した。同社IRページに直接アクセスできなかったため、本記事の数値は複数の独立した金融情報サービスの報道内容をもとに確認している。

三越伊勢丹ホールディングスは、2027年3月期第1四半期(2026年4〜6月)決算で四半期として過去最高の利益を計上し、通期業績予想を上方修正したと発表した。国内富裕層の高単価消費とインバウンド需要、そして不動産収入の伸びが業績を押し上げた形で、コロナ禍後の回復局面で最も強い四半期実績となった。
同社の発表によると、売上高は前年同期比3.8%増の1289億1000万円、営業利益は同20.6%増の188億8000万円、経常利益は同16.7%増の199億3000万円、純利益は同18.5%増の223億2000万円で、いずれも四半期ベースで過去最高を更新した。店舗物件の賃貸収入などを含む不動産収入は前年同期比40.8%増と、小売事業の売上の伸びを上回るペースで拡大した(同社の投資家向け情報ページには本記事作成時点で直接アクセスできなかったため、上記の数値は株探、みんかぶ、Yahoo!ファイナンス/LIMOという3つの独立した金融情報サービスが円単位まで一致して報じた内容をもとに確認している)。
この結果を受け、同社は通期の経常利益予想を従来の800億円から830億円に上方修正し、配当予想も引き上げた。あわせて、2026年10月1日を効力発生日とする1株につき2株の株式分割を実施すると発表した。
この増収率と増益率の開きは注目に値する。営業利益の伸び率は売上高の伸び率の5倍以上に達しており、同社が挙げる要因の中でも不動産収入の伸びが最大の押し上げ材料となった。
今回の数字は、2026年の百貨店業界に共通する構図とも重なる。国内外の富裕層による高単価消費が上位客層に集中する一方、新宿や日本橋といった一等地の店舗では余剰フロアを賃貸に回すことで、不動産収入が利益に占める比重を高めているという流れだ。
株式2分割そのものは企業価値を変えるものではなく、投資単位あたりの株価を引き下げ、より幅広い投資家が単元株を保有しやすくする効果を持つ。株価上昇が続いた企業によく見られる対応であり、東京証券取引所が求める流動性改善への対応としても、近年の日本の小売企業で増えている動きだ。第1四半期のみで通期予想を上方修正したという事実は、830億円という上げ幅の大きさ以上に強いメッセージと言える。同社が、足元の需要ペースは年度を通じて続くと市場に伝えた形だ。
前年同期比(%)