floortok

Journal

·
ニュース

外食産業、6月売上高は13カ月ぶりの低い伸び 台風接近と週末減少が客数を圧迫

日本フードサービス協会の調査によると、6月の外食産業売上高は前年同月比3.3%増と、この13カ月で最も低い伸び率にとどまった。台風の相次ぐ接近と週末日数の減少が客数の伸びを鈍らせるなか、客単価の2.4%上昇が増収を支えた。

雨の東京の飲食店街の夕景を描いたエディトリアル・イラスト。縞模様のひさしの下で賑わうファーストフードの麺カウンターと、通りの向かいで人影がまばらな赤提灯の居酒屋。温かみのあるモノクル調パレット。
イラスト:floortok.com

日本フードサービス協会(JF)が7月27日に発表した外食産業市場動向調査によると、6月の外食産業売上高は前年同月比3.3%増にとどまり、この13カ月間で最も低い伸び率となった。会員230社・全国37,231店舗を対象にした全店ベースの集計で、少なくとも2025年6月以降続いてきた増収傾向のなかでも最も伸びが鈍い月となった。客数の伸びはごくわずかにとどまる一方、客単価の上昇が増収を支えた。

内訳を見ると、客数は前年同月比0.8%増、客単価は同2.4%増、店舗数は同1.5%増だった。6月の増収分の大半は、既存店への来店が増えたためではなく、客単価の上昇と新規出店によるものだったことになる。

JFAは客数の伸び悩みについて、前年に比べて天候に恵まれなかったことを要因に挙げた。東京都の6月の雨天日数は16日と、前年(8日)の2倍に達し、平均気温も21.5℃と前年の24.7℃から低下した。大阪府も同様の傾向で、雨天日数は9日から14日に増え、平均気温は25.4℃から23.4℃に下がった。また、6月の休日日数は4日と前年の5日より少なく、土曜日日数は4日で前年と変わらなかった。ファミリーレストランや飲酒業態が客足の落ち込みの影響を最も受けた一方、ファーストフードなど普段使いの店は比較的堅調だったという。

ファーストフードは堅調、ファミレスと居酒屋は失速

業態別の明暗はくっきり分かれた。52社・21,788店舗が対象のファーストフード業態は、売上高が前年同月比5.1%増ともっとも高い伸びを示し、客数も2.2%増、店舗数も2.5%増となった。なかでも和風は8.1%増と業態内で最も伸びた。夏の新メニュー投入に加え、前年に響いた異物混入問題の影響が薄れたことが寄与したとJFAは説明する。洋風は5.7%増で、一部ではサッカーワールドカップの観戦需要がデリバリー注文の増加につながった。一方、持ち帰り米飯・回転寿司は客数の落ち込みが響き、売上高は1.1%減となった。

対照的に苦戦したのがファミリーレストランとパブ・居酒屋だ。ファミリーレストランの売上高は0.5%増にとどまり、客単価が2.3%上昇したにもかかわらず、客数は1.8%減少した。なかでも和風は1.4%減となり、天候不順がシニア層の客足に響いたとJFAはみている。パブ・居酒屋業態の売上高は0.1%減とほぼ横ばいで、全業態のなかで最も弱かった。一部のスポーツ観戦対応のパブレストランはサッカーワールドカップの試合時間に合わせて営業を伸ばしたが、台風による客数減少、閑散期でもともと少ない宴会予約のさらなる減少、雨天によるビヤガーデン営業の縮小がそれを上回ったという。ディナーレストラン(3.9%増)と喫茶(0.6%増)はその中間に位置した。

JFAの月次調査は、floortokが日本の飲食フロアの実態を知るうえで直接的な一次情報のひとつだ。ここで集計されるファーストフードやファミリーレストラン、喫茶の各チェーンは、百貨店のデパ地下(地下食品売り場)やモールのフードコートを埋めるテナントでもある。6月の業態間の明暗は、飲食フロアの構成を考えるうえでも示唆に富む。価格訴求型で来店頻度の高い業態は、雨がちで行事の多い月でも底堅さを見せた一方、予約や特別な機会に依存する居酒屋やファミリーレストランは、週末の悪天候の影響をより大きく受けた。7月・8月に天候が落ち着けば、客数そのものが回復するのか、それとも客単価頼みの構図が続くのかが焦点になる。

2026年6月の外食産業売上高(業態別)

前年同月比(%)

+3.3%全体+5.1%ファーストフード+3.9%ディナー+0.6%喫茶+0.5%ファミレス−0.1%パブ・居酒屋
日本フードサービス協会 · 作図:floortok