floortok

Journal

·
ニュース

ケリング、上期増収に転換 グッチの落ち込み縮小とジュエリー好調が支え

ケリングの2026年第2四半期の売上高は再び増収に転じた。グッチの落ち込みが和らぐ一方、ジュエリー事業が実質ベースで18%増と好調で、立て直しの途上にあるグループ全体を下支えした。

夕暮れの高級ブティック街を描いた編集イラスト。ジュエリーメゾンのショーウィンドウが暖かく輝き、隣のレザーグッズ旗艦店は静かに佇む。
イラスト:floortok.com

グッチ、サンローラン、ボッテガ・ヴェネタ、ブシュロンを傘下に持つ仏ラグジュアリーグループ、ケリングの2026年第2四半期の売上高は36億5,200万ユーロとなり、実質ベース(為替・事業構成の影響を除く)で前年同期比2%増と増収に転じたことが、同社が今週発表した上期決算で明らかになった。上期(1〜6月)の売上高は72億2,000万ユーロで、実質ベースでは1%増となった一方、為替の影響で報告ベースでは3%の減収だった。

グループ最大かつ立て直しが続くグッチは依然として重荷で、上期売上高は27億5,700万ユーロと、報告ベースで9%減、実質ベースで5%減となった。ただし第2四半期の落ち込みは和らぎ、報告ベースで3%減、実質ベースで2%減にとどまった。ケリングはこれについて、直営店売上高が四半期ごとに7ポイント改善したことを反映していると説明している。

増収を支えたのはグッチ以外の事業だ。ジュエリー事業のブシュロンとポメラートは第2四半期に2億5,200万ユーロを売り上げ、実質ベースで18%増、報告ベースで15%増となった。ケリングによれば、ブシュロンは日本とアジア太平洋地域での好調な伸びを背景に過去最高水準に達し、ポメラートも日本と北米で勢いを維持したという。アイウェア事業も4億7,600万ユーロを売り上げ、実質ベースで8%増となり、主要地域全般で堅調に伸びたとしている。

収益性を見るとやや複雑な内容となった。事業利益(経常的な営業利益)は9億2,100万ユーロ、利益率12.8%で、2025年上期から40ベーシスポイント改善した。一方、純利益はわずか1億8,900万ユーロにとどまり、一時的な項目を除いた経常純利益3億5,500万ユーロを大きく下回った。ケリングはこの差について、非経常的な費用によるものだと説明している。

日本市場を追う立場から注目すべきは、ジュエリー事業の成長がどこから来ているかだ。ブシュロンの過去最高の四半期は日本とアジア太平洋地域での需要に支えられており、この地域はグッチの中核であるレザーグッズ事業がシェア維持に苦戦する中でも、ケリングにとって今年最も安定した好調分野となっている。焦点は、グッチの減収幅縮小が本格的な反転の始まりなのか、それとも単に前年の落ち込みが大きかったことによる見かけ上の改善なのかだ。ケリング自身がグッチについて「増収」ではなく「業績改善」という表現にとどめている点は、グループ自身もまだ決着したとは見ていないことをうかがわせる。

ケリング 2026年第2四半期:事業別 実質売上高伸び率

前年同期比・実質ベース(%)

+2.0%グループ全体−2.0%グッチ+18.0%ジュエリー+8.0%アイウェア
ケリング 2026年上期決算 · 作図:floortok