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近鉄百貨店、あべのハルカス近鉄本店は6カ月連続増収も、既存店ベースの合計は減収続く

近鉄百貨店のあべのハルカス近鉄本店は8月度売上高が前年比6.2%増となり、6カ月連続のプラスを確保した。一方、2月に閉店した名古屋店の反動を除いた既存店計は5.3%減。旗艦店の好調がグループ全体には及んでいない実情を映す。

超高層ビル内にある百貨店の壮大な吹き抜けアトリウムを描いたイラスト。曲線的な階段が幾層にも重なり、上層階から見下ろす人影がひとつ描かれている。
イラスト:floortok.com

近鉄百貨店は、あべのハルカス近鉄本店の8月度売上高が前年比6.2%増となり、6カ月連続の増収を確保したと発表した。一方で、名古屋店の閉店に伴う前年実績の反動を除いた既存店ベースの合計は5.3%減となり、グループ全体の実需をより正確に映す指標はなお前年割れが続いている。

同社によると、あべのハルカス近鉄本店では8月、国内売上・インバウンド売上とも伸長し、全部門が6カ月連続で前年実績を上回った。春から展開する地方創生プロジェクト「ハルカス・ニッポン博覧会」の「島根編」や、9階催事場で開催した「アイスクリーム万博 あいぱく」の盛況が集客を後押ししたという。食料品ではお盆の帰省土産や残暑向けの冷菓、人気キャラクターとのコラボ商品が好調で、婦人ファッションでは夏物のブラウスが引き続き人気を集めた。外商売上も、リニューアルした特選フロアを中心に堅調に推移した。

他店舗の8月度売上高(前年比)は、東大阪店が5.3%増、上本町店が5.0%増と続き、草津店2.3%増、奈良店1.6%増、生駒店1.5%増、和歌山店1.0%増、四日市店0.9%増となった一方、橿原店のみ1.1%減と前年を下回った。

全9店舗の合計売上高は前年比6.9%減。ただしこの数値は、2026年2月28日に営業を終了した名古屋店の反動が影響しており、その前年実績を控除した既存店計でみると、減少幅は5.3%減にとどまる(取扱高ベースでは全店合計6.0%減、既存店計3.4%減)と近鉄百貨店は説明している。

好調な旗艦店と、なお前年割れが続く既存店計という対比は、店舗閉鎖が単月の増減率をいかに長く歪め続けるかを示す好例といえる。名古屋店の影響を除いた指標であってもマイナスが続いている点は見逃せない。あべのハルカス近鉄本店の好調は、全社的な需要回復というより、リニューアルした特選フロアや季節に合わせた催事、日本一の高層ビルという立地が国内・インバウンド双方の客を引き付けている、一点集中型の成果に近い。この強さが、伸び悩む郊外店舗にどこまで波及するかは、旗艦店の数字だけでは見えてこない。